片山萌美 2019年7月4日号

話題の1冊 著者インタビュー 松原タニシ 『事故物件怪談 恐い間取り』 二見書房 1,400円(本体価格)

掲載日時 2018年09月28日 15時00分 [エンタメ] / 掲載号 2018年10月04日号

犯人が家に戻って来た時が一番恐かった

――現在まで、6件の「事故物件」に住んできたそうですが、なぜ、そのような部屋に住もうと思ったのですか?
松原 もともとはテレビ番組の企画がきっかけでした。「事故物件」とは、孤独死・自殺・殺人などで人が亡くなった部屋や家のことを指すのですが、人が死んだ部屋、幽霊が出ると言われている部屋に実際に住んだら、どんな恐い目に遭うんだろう、どんな現象が起きるんだろう、という好奇心もありましたね。実際、今も住んでいますよ(笑)。

――印象に残っている部屋はありますか?
松原 1軒目は初めての事故物件生活だったので、印象に残っていますね。そこは殺人事件があった部屋で、不動産業界では「幽霊が出る」と当たり前に言われていました。そもそも仲介業者が内見をしたがらないんです。僕が「絶対に住みたい!」と言い張って、やっと震えながら書類を出してくれました(笑)。
 一番恐かったのは2軒目です。息子が母親を殺した部屋で、なぜか1枚だけ新しく取り替えられた畳をめくってみると、どす黒い血痕がありました。住んでしばらくたつとドアノブがガチャガチャ鳴るようになって心霊現象かなと思っていたら、後日、近くで通り魔事件が発生したんです。ニュースを見て、その通り魔事件の犯人が、この部屋で母親を殺した息子であることが分かりました。精神鑑定で不起訴になりグループホームで生活していたのですが、脱走してこの近所に戻ってきていたんです。ドアノブのガチャガチャ鳴る音は、犯人が戻ってきて僕の家に入ろうとしていたのかもしれないと分かった時が、一番恐かったですね。

――昨年末、神奈川県座間市で男女9人の遺体が見つかった事件では、現場となったアパートの住人に退去希望者がいなかったことが話題になりましたね。
松原 その部屋は家賃が格安だったので、退居して新しい物件に住むのはかなり負担が大きいですよね。生活の快適さや経済状態を優先した結果、住み続けることが一番負担にならないのであれば、そっちを選ぶのはごく当たり前のことなのかなと思います。
 自分の身に危険がふりかからない限り、陰惨な事件が同じ建物で起きただけでは、生活を変えようとは思わないのでしょう。最近は都会を中心に老人の孤独死も増えていますし、事故物件はこれからますます増えていくと思います。身近に事故が起きた時にたくましく向き合えるよう、心の準備をしておきましょう。これは誰にでもあり得ることなんです。
_(聞き手/程原ケン)

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松原タニシ(まつばら・たにし)
1982年、兵庫県神戸市生まれ。松竹芸能所属のピン芸人。「事故物件住みます芸人」として活動。事故物件で起きる不思議な話を中心に、怪談イベントや怪談企画の番組などに多数出演している。

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