菜乃花 2018年10月04日号

話題の1冊 著者インタビュー 山平重樹 『サムライ 六代目山口組直参 落合勇治の半生』 徳間書店 1,850円(本体価格)

掲載日時 2018年05月13日 12時00分 [エンタメ] / 掲載号 2018年5月10・17日合併号

 ――昨年12月19日、「埼玉抗争」の首謀者として、無期懲役の判決を受けていた六代目山口組直参の二代目小西一家・落合勇治総長の上告が棄却され、無期懲役がほぼ確定しました。

 山平 この裁判は、実際に住吉会系幹部を射殺した組員に、落合総長から“報復の指示”があったかどうかが争点となっていました。一審では関与を認めたものの、控訴審では証人が次々と「自分の刑を軽くするために、検事の指示で落合総長を首謀者にでっち上げた」と証言を翻しています。しかし、それらの発言は今回、まったく聞き入れられることなく結審してしまいました。検察は山口組の直参という大物を、どうしても有罪にして手柄にしたいということです。
 落合総長は過去に12年と15年の長期刑を受けていますが、それは実際に自分がやったことであるとして、一切申し立てをせずに服役しています。本当に自分が命令していたならば、控訴・上告などせずに、黙って服役するでしょう。

 ――証人と検察との間に“司法取引”があったのではないかと言われています。そのようなことが、実際にあるのでしょうか?

 山平 検察は証人に「言えば刑を軽くする」「希望の刑務所にも行かせてやる」などといった取引を持ちかけ、特別に長時間の入浴を認めたり、獄中にいながら株の売買までできるように便宜を図っていました。恫喝と甘言を繰り返していたのは、あの「郵便不正事件」で厚労省の村木厚子局長(当時)を冤罪に陥れ、懲戒処分を受けた國井弘樹検事です。このとき國井検事は、フロッピーディスク改ざんにも関わっていましたが、最終的に上司3人を裏切って自分だけ助かりました。
 相手がヤクザだから有罪にしても構わない、という検察のやり方を見過ごしてしまうと、いずれ同じことが一般市民に対しても行われてしまう可能性があります。これは大変危険なことだと感じています。

 ――実際に落合総長と会ってみて、どんな人だと感じましたか?

 山平 数多くの親分と接してきましたが、今まで会ったどの親分とも違いましたね。人を魅了せずにはいられない不思議なオーラを持っていて、初めて会ったときからなんだか懐かしさを感じてしまう人物です。実際にヤクザ、カタギを問わず落合総長のファンという人は多いですね。
 落合総長の生き方そのものが無罪の証明です。“任侠こそ武士道なり”という信念と矜持を貫いて、まっすぐ男の道を生きてきた人だと思っています。
(聞き手/程原ケン)

山平重樹(やまだいら・しげき)
1953年、山形県生まれ。法政大学卒業後、フリーライターとして活躍。著書にベストセラーとなった『ヤクザに学ぶ』シリーズほか多数。

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