菜乃花 2018年10月04日号

米中合同クーデターで金正恩委員長が「消される日」

掲載日時 2018年06月01日 10時00分 [社会] / 掲載号 2018年6月14日号

 「予定通り6月12日にシンガポールでの開催を目指す方針に変わりはない」
 5月26日、“持ち上げたと思えばこき下ろす”を繰り返してきたトランプ大統領が、北朝鮮側に中止を通告していた米朝首脳会談についてこう語った。すると金正恩党委員長は翌27日、板門店の北朝鮮側施設『統一閣』で電撃的に行われた韓国の文在寅大統領との2回目の南北首脳会談で、「歴史的な朝米首脳会談への確固たる意志」を表明。米国からの経済援助を渇望し、相当に追い詰められている様を露呈した。
 「中国からの密輸と闇市によって何とか北朝鮮経済は回っていますが、6月後半には経済危機が訪れるはずでした。ですから、北朝鮮に余力のある6月12日という会談時期は、トランプ政権内にも早すぎるという意見があったのです。北朝鮮を生かすも殺すも中国次第ですが、トランプ大統領は、その中国の習近平国家主席が正恩委員長に対し『米朝会談は強気でいけ』と助言した可能性を示唆しています。中国の狙いは、米朝交渉にキープレーヤーとして介入したいこと。もう一つは米国との貿易戦争を有利に運びたいことです。北朝鮮が強硬姿勢を続ければ、米国は中国を頼みとせざるを得ず、実際に対中関税引き上げを棚上げにしています。ところが、北朝鮮の“鉄の女”と呼ばれる崔善姫外務次官が、米ペンス副大統領を口汚く罵倒したばかりか、『核対決』という激しい言葉を持ち出して突っ走ってしまい、トランプ大統領の出方を見誤ってしまったのが会談中止に傾いた大きな原因です」(韓国のシンクタンク研究員)

 トランプ大統領は来る11月6日の中間選挙での勝利のために、北朝鮮問題で国内の支持率を上げることが至上命題となっている。中間選挙で負ければ、ロシアゲートで弾劾裁判を受けることはほぼ間違いなく、かなり厳しい局面に立たされることになる。

 だが、この中止申し入れも正恩委員長の性格を見抜いたブラフにすぎなかった。ポンペオ国務長官はCIA長官だった昨年7月に「金正恩暗殺」を公然と語った人物だが、トランプ大統領はその“暗殺立案者”を今年3月末から4月初旬にかけて極秘訪朝させ、さらに5月にも正恩委員長と直接交渉させている。そしてこの2回の会談で、“フェイシャル・プロファイリング”という技術により正恩委員長を丸裸にしたのだ。
 「昨年4月、トランプ大統領のフロリダの高級別荘で行われた米中首脳会談の夕食会の折、トランプ大統領が習主席に突然『今、シリアに向けて59発のクルージングミサイルを発射しました』と伝えたところ、習主席は絶句したまま言葉が出なかったという出来事がありました。これは米国のCIAなどの情報機関が“フェイシャル・プロファイリング”から習主席を『慎重な性格で準備を怠らないので失敗は少ないが、予想を超えるサプライズには弱い』と分析し、米国が仕組んだシナリオだったのです」(安全保障アナリスト)

 正恩委員長の性格はどう判断されているのか。
 「正恩委員長を警護する憲兵だった脱北者は『父親からの教育による猛勉強で頭脳は明晰、母親からは、日本的なおおらかさを持ち、かつ律儀な人物になるように教育された』と証言し、父母からの異なる教育で、剛柔の二面性を持つと指摘されています。ポンペオ長官は、フェイシャル・プロファイリングによる性格分析から『剛には剛で対応すれば、物事の急変性に弱い』と結論付け、今回の会談中止を突き付けた可能性が高い。トランプ大統領は書簡で、北朝鮮が暴発すれば『米軍の準備は整っている』と警告しており、日米は歩調をそろえて北朝鮮が音を上げるまで『最大限の圧力』路線を続けるに越したことはありません。“会談中止表明”での北朝鮮の狼狽ぶりを見る限り、圧力路線の正しさと解決への道筋を指し示していると言えるのではないでしょうか」(国際ジャーナリスト)

 たとえ正常な人物でも、マルクス・レーニン主義を思想基盤とした体制で権力を守るには、兄弟や親族を粛清するほどの狂気を伴う。ただ、狂気は、その上をいく狂気には弱い。
 「北朝鮮は核を持つ故にGDPが1000倍もある米国と五分に渡り合えるのです。それがある日突然、国際協調に目覚めていい子に豹変し、核を手放すわけがありません。この“伝家の宝刀”を『完全で検証可能かつ不可逆的な核廃棄(CVID)』させるには、日本を真珠湾攻撃に誘い込んだ『2018年版ハル・ノート』を突き付ける必要がありました。それが今回の会談中止の書簡です」(前出・安全保障アナリスト)

 5月22日、米海軍のイージス駆逐艦『ミリアス』が横須賀基地に追加配備された。これで在日米海軍艦艇は過去最多の14隻となった。もちろん米朝首脳会談の土壇場の中止、あるいは決裂をも見据えた態勢強化に他ならない。
 「正恩委員長暗殺用のF22も米韓空軍演習『マックス・サンダー』を名目に8機も韓国に送り込み済みです。'17年半ばまでは、米軍も正恩委員長の居どころが分からず、専門家の間でも『空爆による暗殺は難しい』との見方が一般的でしたが、今年春頃から『24時間捕捉している』との情報が流れています。事実かどうかは確認のしようがありませんが、本人の耳に入れば不安になるのは間違いないでしょう。しかも、北朝鮮がもっとも恐れるボルトン大統領補佐官は昨秋から、韓国主導の吸収統一にやる気が見られない以上、中国が正恩体制をつぶすのに協力するなら、北朝鮮を中国の意のままにしても構わないとまで言い出しています。中国が北朝鮮に傀儡政権をつくったところで、そこから太平洋に出られるわけではなく、海洋国家米国としては大きな影響はありません。つまり北朝鮮を取らせることで、中国に大きな負担を背負わせ、台湾を併呑しようという余裕をなくさせる戦略的な発想です。ですから米朝首脳会談が中止もしくは不成立に終わった場合、いよいよ米中共同の正恩斬首作戦が決行されるかもしれないのです」(北朝鮮ウオッチャー)

 北朝鮮内部からの情報によると、昨年12月に“正恩暗殺事件”が発覚して、首謀者6人が処刑されたという。
 「暗殺未遂事件のウワサは、これまでもしばしばもたらされてきました。'13年に正恩氏の最側近であり叔父に当たる張成沢が銃殺処刑されましたが、これは正恩暗殺計画が発覚したからです。張氏は金正恩を殺し、金正男を代わりに迎えるつもりでした。'15年に交通事故など起こり得ない道路で事故死したと伝えられた金養建統一戦線部長も、同じ計画を実行しようとしたとされています。昨年の暗殺未遂事件は化学兵器を使ったものだったようで、北朝鮮の軍、あるいは外国の軍事組織との共同作戦のニオイがプンプンします」(同)

 2回目の会談に臨んだ正恩委員長は、文大統領の口からトランプ政権に宛て「非核化の用意あり」とのシグナルを送ってもらった。だが、すでにトランプ政権は文大統領の“独り相撲”に辟易しており、世界を裏切る言動を続けてきた南北の政権を信用していない。
 「北朝鮮とシンガポールは直線距離で約4800㎞も離れています。金日成主席も金正日総書記も、中国、ロシア(旧ソ連)以外の外遊はほとんどありませんでしたから、北朝鮮当局は本土からこれほど離れた外国での安全を組織的に確保する経験が決定的に欠落していると考えられます。トランプ政権が対北朝鮮の軍事行動計画を放棄したと表明しているわけではない状況下で、果たして正恩委員長がどこまで突っ張れるのか見ものです」(同)

 祖国から遠く離れた地で正恩委員長が絶体絶命の大ピンチに陥ることも十分にあり得そうだ。

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