☆HOSHINO 2019年6月27日号

金正恩委員長が目論む北朝鮮「初代大統領」戴冠と半島統一

掲載日時 2019年04月10日 22時00分 [社会] / 掲載号 2019年4月18日号

金正恩委員長が目論む北朝鮮「初代大統領」戴冠と半島統一
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 2回目の米朝首脳会談決裂の余波が残っていた3月10日、北朝鮮では最高人民会議の第14期代議員選挙が実施された。当選した687名の代議員の名簿の中には、金正恩党委員長の実妹である与正氏の名前はあったものの、最高指導者であるはずの正恩氏の名前はなかった。北朝鮮の支配政党である朝鮮労働党のトップが、最高人民会議の代議員に当選しなかったのは史上初めてのことだ。

 「もし正恩氏が代議員資格のないまま執政のトップに居座れば、世界中が“金王朝”とヤユしてきたように、本当に君主制(王朝)になってしまい『朝鮮民主主義人民共和国』ではなくなります。現国名を維持しながら正恩氏が政府の執政トップになるには、現在の議院内閣制から大統領制に移行するしかありません。そのためには憲法改正が必要になりますが、新たに当選した最高人民会議の代議員による第1次会議が4月11日に開催される予定ですから、ここで憲法を改正し、初の大統領選挙が実施され、直接選挙によって“推戴”された金正恩大統領が誕生することになるのでしょう」(北朝鮮ウオッチャー)

 米・ワシントンポストは同21日、《先月、駐スペイン北朝鮮大使館を襲撃したグループは、北朝鮮の体制に反対する団体『自由朝鮮』であり、彼らが米国連邦捜査局(FBI)へ確保した関連情報を伝達したことが分かった》と報じた。
『自由朝鮮』の前身である『千里馬民防衛』は、2年前、マレーシアの国際空港において化学兵器VXガスで暗殺された故・金正男氏の息子、漢率氏の安全を守ると宣言しているグループだ。3月1日に団体名を現在の名に改名し、正恩政権の打倒を目標にした臨時政府の樹立を宣言している。

 「米トランプ政権が『自由朝鮮』を資金面で支援しているとみられます。言い換えれば、トランプ政権は正恩政権と非核化交渉を継続する一方、体制打倒とその“後釜づくり”を同時進行で行っているわけです。もちろん、国内を把握している正恩氏が米国にひざまずくのが一番いいシナリオですが、とことん米国に反抗し続けたり、クーデターなどの不穏な動きがあったとき、『臨時政府』というオプションは使い勝手がいいのは間違いないところです」(国際ジャーナリスト)

 対外的に正恩政権の足元が揺らいでいるこの状況でも、韓国が米国に対してケンカ腰なのは世界が認めるところ。米朝会談後の3月2日、米国は例年この時期に実施していた米韓合同の軍事訓練を縮小すると公表したが、これは実に意味深長だ。

 「単なる予算削減や北朝鮮への気遣いというより、明らかに北に内通する“韓国外し”です。日韓のレーダー照射問題の“真実”を米軍は把握しているはずですから、米国の韓国軍への信頼はゼロ。軍事機密が韓国軍を通じて北朝鮮、さらには中国に流れるのは何としてでも避けたいし、何よりトランプ政権は、韓国との同盟維持の意欲を失ったと見ていいでしょう」(韓国ウオッチャー)

 米韓同盟が破壊されることに危機感を強めた韓国の最大野党『自由韓国党』(保守系)のナンバー2、羅卿瑗院内代表が3月12日、国会で「韓国大統領は、金正恩の首席報道官だと海外メディアから報じられるような恥ずかしい話を聞くことがないようにしてほしい」と演説した。この発言に与党『共に民主党』の議員らは猛反発し「羅議員の発言は“国家元首冒涜罪”だ」と、ありもしない罪をでっち上げて罵った。

 「北朝鮮との関係改善というカードにすべてを懸けた文在寅政権は、正恩政権とスクラムを組むしかなくなりました。その場合の韓国は米国との同盟=“核の傘”を失います。その際、韓国は『誰の傘に入るか』を決めねばなりません。中国かロシアか、それとも自主開発か。最も手っ取り早いのが北との“相合傘”です」(軍事ジャーナリスト)

 そうなると曲がりなりにも民主主義国家である韓国は、最終的に非民主主義国家の北朝鮮と統一朝鮮=高麗連邦の建国に向かって進まざるを得なくなる。北の大統領候補と南の大統領候補との一騎打ちだ。

 「北朝鮮の選挙制度は一つの選挙区に1人しか候補者がおらず、その候補者名があらかじめ記載された投票用紙をそのまま投票箱に入れて信任を示すのです。不信任の場合は横線を引きますが、引く人はもちろんいません。北朝鮮では100%の信任で候補者が当選します。義務投票制ですから、投票に行かなければキツい罰則か過酷な社会的制裁がありますから、投票率は100%。北朝鮮では建国以来、選挙で落選した候補者はいません。また、朝鮮労働党が必ず執権与党になる一党独裁制を採っていますから、最高人民会議には野党が存在できません。来る大統領選では100人中100人が『金正恩』と記入し当選します。ざっくり人口と同じ2500万票です」(前出・北朝鮮ウオッチャー)

 一方、人口約5000万人の韓国の大統領候補は複数人が乱立する。投票率は北朝鮮のように100%とはいかないから、誰も2500万票を超えられない。

 「北に親米政権が樹立されて韓国を併合するシナリオもあり得ますが、それはかなり楽観的な見方でしょう。高麗連邦金正恩初代大統領誕生となりそうです」(同)

 南北朝鮮は時計の針を1910年の『大韓帝国併合』(韓国併合)の前まで戻してしまったようだ。

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