森咲智美 2018年11月22日号

ロシア元スパイ暗殺事件でバラまかれた神経ガスの脅威

掲載日時 2018年04月14日 14時00分 [社会] / 掲載号 2018年4月19日号

 オスカー女優ジェニファー・ローレンス主演の映画『レッド・スパロー』(公開中)は、ロシアの情報機関で訓練を受け、スパイとなった主人公の“暗躍と反逆”を描いている。まさにタイムリーと言っていい。

 米国や欧州連合(EU)加盟国が3月26日、相次いでロシア外交官の国外追放を発表した。同4日に英南西部ソールズベリーでロシアの元スパイ、セルゲイ・スクリパリ氏(66)と娘のユリアさん(33)に神経剤『ノビチョク』が使われたとされる殺人未遂事件に関して、英国は駐英ロシア外交官23人を追放したことに追随したものだ。

 これまでに20カ国以上が国外追放を表明し、対象者は130人超に上っている。
 「2人はショッピングセンターのベンチで意識不明となっているところを発見されました。警察によると、神経剤の痕跡は町内にある他の複数の場所でも見つかっています。この『ノビチョク』は'70年代から'80年代にかけてソ連が秘密裏に作った神経剤グループを指しており、そのうちの一つ『A230』は、マレーシアで起きた金正男氏暗殺事件で使われたVXガスの5〜8倍の殺傷能力を持ち、数分で多人数を死に至らしめます。英国のメイ首相はロシアによる犯行の可能性が『非常に高い』との見方を示し、国内では『冷戦が再び始まった!』と大騒ぎになっています」(国際ジャーナリスト)

 スクリパリ氏はロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)の元大佐ながら、英国のスパイとして活動していたとして'06年にロシアで禁錮13年の判決を受け、'10年に米ロ間でスパイ交換が行われた後、英国に亡命していた。つまり同氏は二重スパイで、ロシアでは“裏切り者”として有名な人物だった。
 それでもロシア人の大半は、「Mi6(英諜報機関)がやったことで、プーチンに罪をなすりつけた」と信じているようだ。
 現実は映画よりはるかに恐ろしい。

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