☆HOSHINO 2019年6月27日号

米中ハイテク戦争 北朝鮮が両鬼の居ぬ間に企む“無血”半島統一

掲載日時 2018年12月27日 18時00分 [社会] / 掲載号 2019年1月3日号

米中ハイテク戦争 北朝鮮が両鬼の居ぬ間に企む“無血”半島統一
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 12月の初旬に起きた『ファーウェイ事件』は、77年前の1941年12月8日に勃発した日本による米国への真珠湾攻撃を彷彿させる。貿易戦争も一休みと油断していた中国を、米国当局が奇襲したからだ。

 「世界中を巻き込むことになるこの米中ハイテク戦争で漁夫の利を得るのは、これまで“アジアの火薬庫”といわれてきた北朝鮮かもしれません。米中の軋轢を尻目に、朝鮮半島は至って平和です。在韓米軍関係者が明らかにしたところによると、米韓軍が毎年2〜4月頃に行う合同軍事演習は野外での実動訓練をやめ、指揮所での図上演習に限って実施する方向で調整しています。朝鮮半島有事は表向き想定から外され、米韓それぞれが独自に演習を実施。爆撃機や原子力空母などの米軍の戦略兵器や、日本の米海軍佐世保基地に配備された強襲揚陸艦も参加しない予定です」(ソウル在住の日本人ジャーナリスト)

 金正恩党委員長が今年に行った公開活動のうち、7割以上が外交と経済分野に集中したことも判明した。明らかに軍事より国内経済優先という姿勢を示しているわけだが、一方で、正恩委員長のソウル訪問が先送りとなる見通しになった。

 「韓国大統領府は、12月17日が故・金正日総書記の7周忌にあたることなどから12月18〜20日頃に正恩委員長のソウル答礼訪問が実現する可能性が大きいと見て、少なくとも9日までに北側から何らかの回答があるだろうと読んでいました。しかし、15日がすぎても北から何の音沙汰もない現況を鑑みれば、今年中はないでしょうね」(同)

 北朝鮮の思惑が、いかにも不気味に映る。来年早々に予定されている二度目の米朝会談前にソウルを訪れない方が“得策”とでも考えているのだろうか。

 そんな折、米国が20世紀初め、当時、交戦中だったフィリピンから戦利品として持ち帰った『バランギガの鐘』が117年ぶりに祖国に戻ったという話題が、12月15日に報じられた。この鐘は、フィリピン側が米軍を奇襲する際の合図として鳴らされたものだ。

 「取るに足らないように思えますが、このニュースは世界の二分に通じるものです。中国への傾斜を強めていたドゥテルテ大統領を、再び米国側に寝返らせるための一策に思えるからです。中国は、’73年3月の米軍のベトナム撤退直後に、同国東に位置する西沙諸島に対して侵攻を開始し、次にフィリピンのスービック海軍基地とクラーク空軍基地から米軍が撤退した’91年11月以降、南沙諸島に侵攻しています。ともに米軍撤退という“力の空白”が生まれた直後の電撃的な行動です。この時期に戦利品を返還した意味は、再び米軍がスービックに戻り、南シナ海を中国から奪い返すための布石でしょう」(国際ジャーナリスト)

 米中ハイテク戦争は、本物の戦争に突入する可能性も出てきたわけだ。そうなると、第2次大戦時のように世界は真っ二つに割れる。

 「米国は同国政府機関でのZTE(中興通訊)とファーウェイ製品の使用禁止を英国・豪州・ニュージーランド政府にも追随させ、日本も政府機関での両製品の使用を禁じました。当初、ドイツは禁止しなかったことで『アングロサクソン国家+日本同盟』対『中独同盟』という対立構図もありました。スマホ世界一のサムスンを抱える韓国は、現在“反日反米”ですから、中国寄りの動きをするでしょう」(日本在住中国人ジャーナリスト)

 ところで韓国映画は、日本と比べると世論を誘導する役割がはるかに大きい。’95年の『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』では、南北共同で民族の核を持ち、朝鮮民族の敵である日本に核をぶち込むというストーリーがやんやの喝采を浴びた。また、去る11月28日に封切られた『国家不渡りの日』は、’97年の通貨危機に見舞われた韓国が、結局はIMF(国際通貨基金)に救われるというノンフィクション仕立てで現在、大ヒット中だ。

 この映画を深読みすると、韓国の通貨危機は、これまで日本のせいだとされてきたのだが、米国の謀略によるものだと描かれている点が目を引く。確かにその後の巨大財閥が米国資本の手に落ちたことを見れば、あながち的外れとは言えないだろう。問題は、頭に血の上りやすい韓国民が“反米”にどっと傾斜しないかという懸念だ。

 「『米国こそが南北を分断した元凶だ』とのメッセージが、『JSA』(’00年公開)などの映画によって韓国人に刷り込まれてきました。“核兵器付き”の朝鮮統一を目指す文在寅大統領ら左派の、映画を利用した思考回路はこうです。まず国民の合意をすぐにでも得られる『反日』を盛り上げる。これが現在の慰安婦合意破棄、徴用工裁判です。それを次第に『反米』へと転化していき、最終的には在韓米軍を撤退させるという筋書きです」(右派系韓国人ジャーナリスト)

 米国に蹂躙され続けた悲劇の“南朝鮮”は、反米を貫いた金一族の総帥・正恩を戴く核付きの北朝鮮軍を、歓喜を持って解放軍として受け入れる。文大統領は『よくぞ助けに来てくださいました』と膝を落としてかしづく――。北朝鮮主導の無血統一を、こうして実現させるというわけだ。

 金正恩&文在寅両氏にとって、米中両超大国が角突き合わせ、軍事大国ロシアが中東を引っかき回している今こそ、どさくさに紛れて朝鮮統一を実現する絶好のチャンスなのである。

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