菜乃花 2018年10月04日号

話題の1冊 著者インタビュー 中野瑠美 『女子刑務所ライフ!』 イースト・プレス 1,300円(本体価格)

掲載日時 2018年07月01日 18時00分 [エンタメ] / 掲載号 2018年7月5日号

 ――覚せい剤で逮捕4回、通算12年服役していたそうですが、ハマってしまった理由は何ですか?

 中野 きっかけは失恋なんですが、大阪の不良の多い街に生まれ育ったので、好奇心もありました。最初の頃こそ気持ちよくて悲しみをすべて忘れられましたが、すぐに効かなくなって使う量も増えていきました。いわゆる“キメセク”も、その時は気持ちいいのですが、その後、疲れ果てて何日も寝込んでしまうんです。それで、疲れを取るためにまたクスリを使うという繰り返しでしたね。
 また、密売をしていたこともやめられなかった理由です。めちゃくちゃもうかりましたが、そのせいで20代の一番きれいな時期をずっとムショですごすことになりました。結果としては高い授業料でしたね。

 ――女子刑務所での記憶に残っているエピソードはありますか?

 中野 いろいろありすぎますが、死人が出るとやっぱり驚きます。整形までして15年間逃亡していた福田和子さん(※松山ホステス殺害事件)が、私の隣の房で突然死していて大騒ぎになりました。くも膜下出血と聞いています。
 通常は世間を騒がせた殺人事件の犯人などは隔離されるのですが、福田さんはなぜか独居房ではなくて、みんなと工場で働いていましたね。

 ――やはり、女性同士での行為などもあるのでしょうか…。

 中野 寂しいせいか、同性に興味を持つ人は結構いましたね。男役と女役に分かれて、イチャイチャするんです。新しく入って来たかわいいコを取り合ったり、入浴中に胸を触ってきたり…。拒否した側も静かにしていないと懲罰の対象になるんで迷惑でしたね。
 とにかく閉鎖的なところなので、心を病む人は多かったです。認知症もあったのかもしれませんが、しょっちゅう「そんなに私の裸が見たいんか!」と叫んでは服を脱ぐおばあさんもいました。でも、全員が性欲に悩まされているわけではないんですよ。私も出所した時の楽しみに「懲役処女」は守っていました(笑)。

 ――刑務所暮らしを振り返って、今、どのような心境ですか?

 中野 今は大阪でラウンジを2軒経営していて、寝る間もないくらい充実しています。クスリをやめるまでは長い道のりでしたが、こんな私だってやめることができました。ですから今、クスリやアルコールに苦しんでいる人も、頑張ってほしいですね。
 1年後の自分を想像して、毎日を、1日ずつ大切に生きていきましょう。
(聞き手/程原ケン)

中野瑠美(なかの・るみ)
1972年、大阪・堺市生まれ。覚せい剤取締法違反で4回逮捕され、執行猶予1回を経て合計12年の懲役を経験。現在は堺市内でラウンジ『祭』と『魔女』を経営。

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