片山萌美 2019年7月4日号

〈目からウロコの健康術〉 生命を脅かすサイレント・キラー「高血圧」は生活習慣で改善!

掲載日時 2019年03月28日 12時00分 [健康] / 掲載号 2019年4月4日号

〈目からウロコの健康術〉 生命を脅かすサイレント・キラー「高血圧」は生活習慣で改善!
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 高血圧といえば、一般的には塩分の摂りすぎで血液にダメージを与え、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まるといわれる。また、自覚症状が少ないため「まだ平気さ!」と軽視することも多く、そのまま放置すれば動脈硬化を促進し、脳卒中や心疾患、あるいは慢性腎臓病などの重大な病気に繋がることも多い。

 高血圧とは、安静状態での血圧が、慢性的に正常値よりも高い状態をいう。

 世界保健機構(WHO)などが定めるガイドラインによると、心臓の収縮で送り出された時のもっとも高くなった血圧〈最高血圧〉が「140ミリHg」以上、最も低くなった血圧〈最低血圧〉が「90ミリHg」以上になると高血圧と判断される。

 この高血圧対策として何が必要なのか…。都内で総合医療クリニックを営む久富茂樹院長はこう語る。
「高血圧というと、高齢者特有の症状というイメージがありますが、近年は若い世代にもこの高血圧になる人がかつてなく増えてきています。考えられる原因は、食生活の乱れからくるものが多い。食生活は時代とともに変わってきますが、簡単で便利で美味しいものは、やはり塩分、糖分が多く高カロリー。その上、より塩分が強い味付けになったものが多いのです。いつしかその味に慣れてしまい、食生活の乱れを気にしない人が増えてきました。特に塩分の摂りすぎには注意が必要です」

 血圧が高いと血管への圧力が強くなり、腎臓などでこの状態が続くことで血管にダメージを与える。特に腎臓でろ過する糸球体という器官は、細い血管がコイルのようになった、いわば毛細血管の固まりのようなもの。高血圧による悪影響を受けやすいのだ。

 こぶし大の腎臓では、体内の水分を集めて糸球体でろ過して、糸球体につながる尿細管という細かい管で体に必要な成分を再吸収している。

 糸球体の大きさは0.1〜0.2ミリほどで、この中にぎっしりと細い血管が詰まっているため、高血圧状態が続くとダメージを受けやすいのだ。

 前出の久富院長は、腎臓の影響についてさらにこう説明する。
「糸球体の毛細血管の一部で目詰まりを起こすと、周囲の毛細血管へもそれが波及し、糸球体そのものの機能が落ちます。しかし、糸球体は片方の腎臓に約100万個あるため、1つの糸球体の機能が落ちても、自覚症状はありません。とは言っても、この状態が続くと腎臓の機能低下に拍車がかるのです」

 仮に100万個の糸球体の10分の1が低下すると、残りの糸球体でカバーすることになり、負荷がかかった糸球体の機能も落とすことになる。すると、尿として水分を排出する能力は保たれるが、ナトリウム(塩の成分)を排出する能力が落ちるのだ。

 血中のナトリウム量が上がると、それを薄めるために血液量が増え、全身の血液を送る心臓の負担が重くなり、血圧を上げてカバーしようとする。腎機能低下が血圧を上げ、血圧の上昇で腎臓がますます悪循環に陥ってしまう。

 昭和大学横浜北部病院腎臓内科の緒方将徳医師は、こう説明する。
「腎臓には、血圧を調整する役割もあるため、腎機能が低下すると血圧は上昇しやすくなります。一度悪くなった腎臓は、元に戻すことは出来ません。高血圧を改善し、現在の腎臓の能力を守ることが重要になるのです。また、腎臓が受けているダメージは、尿検査でのタンパク質の有無で知ることができます。本来、体に必要なタンパクは尿には含まれませんが、糸球体がダメージを受けると尿中に排出されるため、腎臓機能低下の指標の1つになっています」

 尿タンパクが出たら腎臓内科の専門医を受診し、肝機能をよく調べてもらうことが大切だ。

★野菜の食べる量を増やす!

 高血圧は別名「サイレント・キラー(沈黙の殺し屋)」と呼ばれるが、高血圧の初期症状は、これといった異常が少ないのが特徴とされる。単なる風邪や疲れだと見すごされがちだが、実際はそうではない。

 高血圧の初期症状が出る部位として挙げられるのが「脳」「心臓」「眼」「腎臓」などである。自覚症状としては圧迫感や息切れ、動悸、頭痛、のぼせ、肩こりなどがあるが、これらの症状だけで高血圧を疑うのは難しい。

 健康診断などたまたま調子が悪くて調べたところ、高血圧だと分かるという人が多い。ただ、人によっては何年も健康診断を受けていない人もいて、こうした人が「軽い症状だから」と放置していたら、高血圧が引き金となって合併症が出る事もあるのだ。

 では、高血圧をどう防ぐかを考えてみよう。塩分を摂りすぎた場合は、野菜食が大事。野菜に含まれるカリウムが大いに役立つといわれる。若い人は外食が多いと指摘されるが、外食で定食や丼ものを食べていると、野菜類がつい不足しがちになる。

 厚労省の「健康日本21」が掲げる野菜摂取量の1日の目標値は350㌘以上。これに対し、’16年「国民健康・栄養調査」では、男性で約284㌘、女性で271㌘と足りていない。牛乳に含まれるカルシウムも、血管を広げて血圧を下げる作用があるとされるため、野菜不足を牛乳で補えないのだろうか。

 「塩分のナトリウムと、野菜などに含まれるカリウムは、これを摂るとナトリウムが減る。ところが、血圧を下げるといわれるカルシウムやマグネシウムは、単品ではナトリウムと相関しないとの報告があるのです」(医療関係者)

 マグネシウムも血管拡張などの作用が知られており、海藻やナッツ類などに多く含まれる。

 ただ、「野菜の代わりにナッツ」「野菜の代わりに牛乳」と言った単品では、体内のナトリウム排出にはあまり役立たない。やはり、牛乳だけではなく、野菜も多く食べなければならないということだ。

 「野菜は煮つけやおひたしなど、料理を工夫することで食べる量を増やすことが可能です。野菜の繊維質は、コレステロールを排出して動脈硬化を防ぐ作用もあります。肉類などを食べすぎると血管の壁にコレステロールがたまり、動脈硬化が促進され、脳梗塞、心筋梗塞などに繋がります。野菜はそれらを防ぐ作用もあるわけです」(管理栄養士)

 他に、ストレスも血圧を上昇させる要因の1つ。気分転換などで上手にストレスを解消したいものだ。

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