美音咲月 2019年7月25日号

令状なしでカード情報を“積極提供”した『Tカード』の“裏の顔”

掲載日時 2019年02月15日 22時00分 [社会]

 買い物や商品のレンタルなどで特典が付くポイントカードの運営会社が、会員に知らせないまま利用状況などの個人情報を“令状なしの捜査当局”に任意提供していた問題。

 「捜査協力が社会貢献につながると判断した」と言い放ったのは『Tポイントカード』を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)だ。Tカードはレンタル大手『TSUTAYA』や、コンビニ、ドラッグストアなど幅広い業界で使われている。会員が知らないまま個人情報が捜査当局に提供されていれば心理的抵抗は大きいが、これについての謝罪は型通りだった。

 実はCCCは2つの顔を持った企業だ。“表の顔”は「世界一の企画会社を目指す」という増田宗昭社長によって、2011年12月、東京のファッション最先端、代官山の1万2000平方メートルの広大な敷地(旧・水戸徳川家所有地)に3棟の『蔦屋書店』などをオープンさせ「森の中の図書館」「本屋が創る街」を出現させたことだ。

 カフェと書棚をゆったりと融合させ、実用書や自己啓発本、参考書や漫画などを駆逐し、懐かしい『平凡パンチ』などヴィンテージ物の雑誌をそろえたことで、ゆとりのある“ちょい悪オヤジ”に今でも人気がある。

 また14年4月には、佐賀県の武雄市図書館の指定管理者として蔵書の大半を開架にしてカフェを併設するなど斬新な運営で来館者が急増させたことで、この蔦屋式図書館は多賀城(宮城)、海老名(神奈川)、周南(山口)でも導入された。

 “裏の顔”は「アダルトビデオ」との関連だ。同社はあるメディアに、この問題を追及され否定しまくった。

 「CCCが『有害図書販売』に関与していることは、文部科学省も知っていました。傘下のデジタルハリウッド大学(現在は株式会社立の大学)を助成金目当てに学校法人化する計画があったのですが、その過程でこの問題が警察庁より文科省に耳打ちされ問題視されていたのです」(古手の経済ライター)

 反社会的勢力とニアミスの恐れのありそうなAV業界とは「無関係」を強調した方が、今後に支障はないと考えるのは、各界から一目置かれる増田宗昭社長としては当然だろう。だが、悪い話はまだある。

 「かつて『TSUTAYA』の出店などを巡り全国の警察に寄せられた苦情は、14年に140件もありました。ライバルのレンタルショップやAV業者から『うちらよりよほどブラック』との“たれ込み”もあったのです」(同・ライター)

 Tカードを巡る当局との確執が表面化したこともある。セキュリティー上の懸念材料が指摘されたのだ。CCCは13年7月にヤフーポイントと統合したほか、ANAやエネオス、カメラのキタムラ、青山商事、ファミリーマートや新生銀行、毎日新聞などに次々とポイント共通化を広げていた。

 ポイントを貯めるのにカードが1枚で済む半面、利用者に同意を求めるT会員規約の共同利用では、顧客の個人データを共有できる企業が特定されていないため「現行法ではすべてグレーゾーン」と政府内で規制が検討されたのだ。

 Tカードにはこうした“向こう傷”があった。裏を返せば「負い目」だ。だからこそ警察当局にホイホイと協力したのもうなずけよう。


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