☆HOSHINO 2019年6月27日号

本好きのリビドー(239)

掲載日時 2019年02月06日 15時30分 [エンタメ] / 掲載号 2019年2月14日号

本好きのリビドー(239)
画像はイメージです

快楽の1冊
『知りたくないではすまされない―ニュースの裏側を見抜くために_これだけは学んでおきたいこと』
江崎道朗 KADOKAWA 1400円(本体価格)

★日本のマスコミが知らない世界のリアル
 地上波のテレビでも、ネット上の話題でもとにかく何でもいい。これ以上、自称靴職人の花田優一とかいうガキと、もはや国を挙げて陰険悪辣極まるストーカー&クレーマー状態の韓国がらみのニュースだけは願い下げにしてもらいたい。目にも耳にも不愉快千万、いったいどこまでよってたかって底無しにバカな“かまってちゃん”の相手をしてやれば気が済むのか。中国から金を受け取ってプロパガンダ提灯記事を垂れ流す毎日新聞は言わずもがな、それでなくとも日本の既存大手メディアがいかにろくでもないかが日進月歩のスピードで白日の下に曝され続ける昨今だからこそ、本書のごとき頼れる羅針盤がぜひ必要なところ。

 3年前の大統領選で日米のマスコミが足並みそろえてヒラリー優位を伝える中、最初からトランプの勝利を予想し的中させた著者。アメリカに関する報道ひとつとってみても、これまであまりに民主党=リベラル層が米国国内であくまで主流派であるかのような印象が強調されすぎてきた、との指摘には納得でその構図は現在もほぼ変わらない。トランプ支持層の背景に見える“草の根保守”と呼ばれる人々の思想傾向など、ほぼ一顧だにされてこなかったと言っていいだろう。

 そういえば同じ大統領でも、共和党出身のブッシュJrやトランプを徹底して批判的におちょくりまくるマイケル・ムーア監督はやたらに持てはやされるが、「オバマはアメリカの破壊を目論む社会主義者だ」とする保守派の論客によるドキュメンタリー映画が7年前に大ヒットしている事実など、本書で初めて教えられた。日本を取り巻く現状を語って心地よく響くような甘言は一切ない。価値判断の刷り込みでなく現実直視こそ良薬は口に苦し、だ。
_(居島一平/芸人)

【昇天の1冊】
 東京五輪開催を来年に控え、かつ「平成」の元号がいよいよ終わりを迎えようというこの時、日本の歴史について再考する興味深い書籍に出会えた。タイトルは『日本人が知らされてこなかった「江戸」』(SBクリエイティブ/800円+税)。実はここ数年、江戸時代の文化や武士・庶民の暮らしを再発見することが、ちょっとしたブームになっている。

 なぜかというと、外国人によって江戸の美点やよさが見直され、それが逆輸入する形でさまざまな本が出版されているからだ。

 例えば、これまで徳川幕府の外交政策は『鎖国』が一般的だったが、今ではその通説が覆りつつあるという。幕府(中央)が藩(地方)を一方的に締めつけていたとされる「幕藩体制」も、むしろ国内ネットワークの構築に役立ち、そのおかげで流通や経済が発展し、中心である江戸は平和に栄えたという。

 こうした点が外国人の研究者によって再発見された理由は、幕府を倒して取って代わった明治政府が、江戸時代を根底から否定してしまったからだという。つまり、日本人は日本人の手で、過去の価値ある遺産を封印してしまった―というのが、本書の主張だ。

 日本人が今も使っている部屋の間取りを表す単位「畳(じょう)」、1年で最も日が長い日・短い日を指す言葉「夏至」「冬至」なども、江戸時代の人々の知恵から誕生している。知らず知らずのうちに過去の恩恵にあずかっているのである。温故知新ではないが、過去を学ぶ必要は十分にあるだろう。

(小林明/編集プロダクション『ディラナダチ』代表)

関連タグ:本好きのリビドー


エンタメ新着記事

» もっと見る

本好きのリビドー(239)

Close

WJガールオーディション

▲ PAGE TOP