RaMu 2018年12月27日号

〈目からウロコの健康術〉 1度下がれば約37%の免疫力が低下 “万病の元”体の「冷え」対策法

掲載日時 2018年11月22日 22時00分 [健康] / 掲載号 2018年11月29日号

 朝晩の冷えが厳しくなると、体調不良を訴える人が増えると言われる。医療関係者も、この時期を“危険な季節”と警戒を促す。
「冷え性は女性特有のものと思われがちですが、それは間違いです。ある調査では6割以上の男性が“自分は冷え性ではないか”と感じているという報告があります。また、年齢を重ねると新陳代謝が低下して、自分で気づくほど冷えを感じますが、厄介なのは男性の若者から中年層の場合、冷えた状態が普通だと思ってしまうこと。自覚していないと知らず知らずのうちに、全身の機能が低下してしまうのです」

 健康問題を追究している医学博士・内浦尚之氏は、次のように指摘する。
「例えば健康な人であっても、気温の変化に対しては徐々にしか適応できない。最近のように朝晩の冷えで、体温が1℃下がれば、約37%もの免疫力が低下します。すると体の抵抗力が衰え、ウイルスや細菌に対して負けやすくなってしまう。さらに自律神経のバランスが崩れ、血管が収縮して血液が詰まることもあります。そうなると心筋梗塞などを起こし、胸を締めつけられるような痛みに襲われ、ひどいときには意識を失うこともありますし、脳の血管が詰まれば脳梗塞に陥り、ロレツが回らない、食事中に口から物をこぼすようになる。さらに、簡単につまずき、転倒する。軽度な人でも階段を上がっただけで息切れし、胸に痛みを感じて、狭心症になる場合もあります」

 体が冷えることで、こうした血流障害を起こし、そのことが正常な細胞に対して不利に働き続け、病気を引き起こす。また、免疫を担っている白血球についても、システムが崩壊されるなどさまざまな影響が出て、病が重度にまで進んでいくと言われる。

 「とにかく冷えから体を守るために、しっかりと健康管理をして、交感神経と副交感神経のバランスを保つことが重要になってきます。この2つの自律神経が乱れると、病院での検査で体の異常が発見されづらくなる。診断で自律神経失調症や不定愁訴症候群と間違われることも多く、精神安定剤など、間違った処方を受けることもあるのです」(内浦氏)

 いずれにしても、体が冷え、低体温症になると、血管が収縮して血流が滞留するようになる。血液は全身の細胞に酸素や栄養素を運び、二酸化炭素や老廃物を回収する役目を担っているが、これが不十分になると細胞で合成や分解を正常に行えず、活動が一気に低下。すると老廃物が体内に留まり、血流がさらに滞留して冷えも進むという悪循環を生み出すのだ。

 社会医学研究センター・理事の村上剛氏はこう語る。
「人間が生きていく上で必須の栄養素・酵素は、体内温度37度〜38度、体表温度36・5度〜37度で最も活発に働きます。それが冷えで酵素の働きが著しく低下すると、糖やコレステロール、中性脂肪などがスムーズに分解されなくなり、肥満、糖尿病、脂質異常症、動脈硬化といった生活習慣病のリスクを高めてしまう」
まずは体の外側から温める

 低体温症の全国調査をまとめた「日本救急医学会・低体温に関する委員会」の三宅康史氏は、冷えの段階について、以下のように説明している。
「人体の中心部の温度(中心温度)が、36度を切ると低温症と診断されます。当初は皮膚表面の血管の収縮から鳥肌が立ち、熱を得るための筋肉の収縮から体がガタガタと激しく震え始める。そして、体熱の喪失が発熱を上回ると、中心温度は33度以下に下がる。すると体の震えは止まるが、意識障害からモウロウとなり、支離滅裂なことを言い、呼びかけにも反応しなくなります」

 にわかには信じられないことが起きるが、さらに30度以下に下がると半昏睡状態に陥り、脈拍も微弱となり、そのまま進めば心肺停止、つまり死に至るというのが低体温症の怖いところ。

 もう少し付け加えると、“人体の免疫”の観点から言えば、理想的な体温である37℃以上から1度下がると、免疫力は約30%低下する。そのため、ウイルスや病原菌への抵抗力が薄れ、病気になりやすく、治りにくくもなる。

 医療関係者は、こうした冷え、低温を誘発する原因を次のように挙げる。
(1)夏などに、暑いからクーラーをガンガン効かせるため、身体が冷え切ってしまい、肩こりや腰痛が続き不眠、寝起きが悪くなる。
(2)体が冷え切っているのに、冷たい料理や生ビールなど、冷たい飲み物を摂ると体は一層冷え、不調が起きる。
(3)夜は入浴よりシャワーで済ませることが多い。
(4)血管を収縮させる喫煙習慣がある人は危ない。
(5)運動をしないと筋肉量が落ち、衰えて血流が悪くなる。

 こうした冷えをどう防ぐかが重要になってくるが、どのように対処したらよいのだろうか。
「とにかく冷えの症状が出た場合は、最初に体の外側から温めることが大事。この時期であれば、そろそろ湯たんぽなどで内臓が集中するお腹部分を保温することです。また、フェースタオルを四つ折りにしたり、クッキングペーパーを二重にしたものを、寝間着と下着の間に挟み、冷たい部分に当てると空気の層ができて温めることが出来ます。次に体の中から温める。熱量は食べる物によって異なりますが、食事面ではタンパク質を多く含んだ赤身の肉や魚、緑黄色野菜に多く含まれる鉄分を摂ることが大切です。さらに、それらを助けるビタミンB1、E、Cも併せて摂取したい。もちろん、極力、普段から冷たい物を控えるように心掛けることが重要です」(某専門家)

 食に続いて大事なのは、運動だ。

 専門家によると「体を動かすと筋肉は熱を出すほか、動かずにいても生命維持のために体は熱を発する。その熱源の6割が筋肉です」と言う。

 筋肉をよく使うと、筋肉内の毛細血管の数が増えて血流も多くなり、体を温める働きが増す。また、筋肉の収縮が血行を助けてもいるのだ。

 「筋肉の衰えは暖房を失うことと同じ」とも言われる。筋肉を増やし、冷えにくい体作りを心掛けたい。

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