彩川ひなの 2018年7月5日号

千葉放火殺人 家出男女4人グループただれた関係

掲載日時 2018年03月08日 16時00分 [事件] / 掲載号 2018年3月15日号

 北総鉄道『印西牧の原駅』から東へ1.5㎞ほど離れた、のどかな集落――。千葉県印西市の木造プレハブ平屋建て住宅から火の手が上がったのは、2月17日夕方のことだった。
 全焼跡からは、この家で一人暮らしをしていた海老原よし子さん(55)が遺体となって発見され、翌日昼には、約200㎞離れた静岡県富士宮市内の道の駅の駐車場で、16歳〜20歳の男女4人の身柄を確保。千葉県警により19日、殺人と現住建造物等放火の容疑で逮捕された。
 「火災が発生したのは17時すぎで、住宅は瞬く間に燃え尽きた。灯油の臭いが立ちこめる焼け跡から発見された海老原さんは全身が焼けただれ、性別が分からないほどの状態でした。18日に行われた司法解剖の結果、肺にススが溜まっていたことから、死因は焼死と断定されている。容疑者らの自供などから、おそらく暴行を受けた後、火が回るまでは、海老原さんの息はあったのではないか。海老原さんは足が不自由だったと聞いているだけに、まったく許し難い凶行だ」(捜査関係者)

 事件発生直後から、県警では150人体制で捜査を開始した。容疑者の1人が「(女性を)ボコボコにして家に火をつけた」と友人にかけた電話内容や近隣住民からの情報を得て、4人が使用していたグレーの軽ワゴン車のナンバーからNシステムにより追尾、確保に至ったという。
 逮捕された4人は、菅野弥久容疑者(自称住所不定)、金崎大雅容疑者(印西市)、仲内隼矢容疑者(東京都墨田区)の20歳3人と、16歳の少女(都内)だ。
 「友人らの話によれば、菅野容疑者は、千葉の高校を中退後、アルバイト先で出会った金崎容疑者と交際を始め、両親との喧嘩で家出をしている。昨年には金崎容疑者がアルバイトで茨城へ出向いたあとを追って一緒に住むようになったという。その後、働いていたアルバイト先で海老原さんと知り合い、時折、海老原さんの家へ泊まりに行くようになった。一時は同居状態にあったといいます」(全国紙社会部記者)

 海老原さん宅から車で10分ほどの場所にある金崎容疑者の実家に住む祖父は、こう話す。
 「(金崎容疑者は)あちこちでアルバイトをしていた。悪い友達なんかが夜中の2時、3時によく来ていた。気の弱い子で、ついつい人について行ってしまう。昨年夏頃からは、ほとんど自宅に帰らなくなった。だから今度の事件も、身内の我々もほとんど何も聞かされていない」

 その金崎容疑者と仲内容疑者もアルバイト先で知り合い、行動を共にするようになったのは最近のことだったという。
 仲内容疑者を知る人物の話。
 「仲内は中学生時代から野球に打ち込み、甲子園を目指していた。夜中に毎晩、庭に出て素振りをするほどでしたよ。卒業後も茨城の私立高校へ進学して野球部に入って、寮生活をしていた。勉強は普通でしたが、部では主将まで務めていたんです。ただ、家の事情で大学への進学は諦めたと聞いている。どうやらそれからグレてしまったようで、中退してワル仲間とつるんで遊び歩くようになった。久々に見たときは、丸坊主だったのが金髪になって、すっかりヤンキーっぽくなってビックリした。一緒に捕まった(16歳の)女の子は、バイト先で引っかけたとかで連れ回していた子だと思います」

 今年2月に入ってからは、菅野容疑者がアルバイトをしたことがある印西市内の建設関係会社の社長から、逮捕された際に使用していた軽ワゴン車を借り、容疑者4人の共同生活が始まったという。
 「菅野容疑者は友人などに『ご飯を食べていない』『お金を貸してもらえないか』などと連絡をしており、かなりの金欠状態にあったと思われる。車を借りた建設会社を訪れ、借金を頼み込んだが、断られているとの情報もあります。さらに、事件発生の2週間前ぐらいからは、4人が海老原さん宅に頻繁に出入りするところを、近隣住民が目撃していたのです」(前出・記者)

 海老原さんに金をせびった上での犯行だったのか。しかし、4人は釈然としない供述を繰り返しているという。
 「菅野容疑者は、『(海老原さんに)金を貸してほしいと頼んだら断られたのでカッとして顔を殴った』、『金は殺されたって貸さないと言うので、じゃあ殺してやると殴ったら、動かなくなった』と話している。さらに誰がやったか分からないように火をつけたとしているが、あくまで『自分1人でやった』という。ただし、他の容疑者も自分が火をつけた、暴行を加えた、と供述しており、どうやら互いをかばい合っているようなのです」(前出・捜査関係者)

 海老原さんは前述の通り、足が不自由なために障害者年金を受給し、不足分は生活保護を受け補っていたという。
 「事件前、4人について海老原さんは『居場所がない人たちだから仕方がない』と、守るようなことを言っていた。それが、こんなことになるとは」(海老原さんの知人)

 好意が仇となった。

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