葉加瀬マイ 2018年11月29日号

話題の1冊 著者インタビュー 高田かや 『さよなら、カルト村。』 文藝春秋 1,000円(本体価格)

掲載日時 2018年03月25日 15時00分 [エンタメ] / 掲載号 2018年3月29日号

話題の1冊 著者インタビュー 高田かや 『さよなら、カルト村。』 文藝春秋 1,000円(本体価格)

 ――衝撃的な前作『カルト村で生まれました。』に続き、今回は思春期の話です。本を上梓してから周囲の反応はどうでしたか?

 高田 周囲の反応といっても、本を出したことを知っているのは実家とふさおさん(夫)の家族くらいなのですが…。私の父は「前作に比べて、今作はだいぶ端折った感じがする」と言っていました。前作で描いた小学生時代はずっと1カ所の村にいましたが、本書で描いた中学〜高校時代は住んでいる村も頻繁に変わったため、思い出をすべて描くのは難しくて…。
 同居しているふさおさんの家族は別段変わった反応はなく、義母は「忙しいの終わった? お茶でも飲みましょうよ」という感じですし、義弟たちにいたっては2作とも読んでもいません。興味のあるジャンルではないようです(笑)。人のことに一切干渉しない兄弟で、その空気感にはいつも助けられています。
 仕事関係では、インタビューや文芸誌へのエッセイの執筆など、漫画以外の依頼が増えました。文章だけで成立するエッセイは、とても新鮮な気持ちで取り組めましたし、その際、思い出したことを現在描いている『お金さまいらっしゃい!』(クレアコミックエッセイルームで連載中)にも使えたりと、いい相乗効果になったと思います。

 ――幼少期から労働に体罰など、一般社会とはかけ離れた『カルト村』での生活ですが、今振り返ってみてどう思いますか?

 高田 子供の頃の思い出はすべて村の中でのことなので、振り返ると出てくる言葉は「懐かしい」です。一般社会の大人が自分の子供だった時代を振り返って感じる懐かしさと同じだと思いますね。

 ――両親が入村していなければ、カルト村での生活もなかったと思います。親の思想や宗教観が子供に与える影響についてどう考えていますか?

 高田 両親が学生時代に入村していなければ、自分の存在自体がなかったわけで(笑)。高等部時代に、一般社会で暮らす父親に引き取られることになった女の子に「一緒に村を出て私の家で暮らさない?」と持ちかけられたことがありました。でも、私は本当に村の暮らしに特別不満がなかったのと、親が住んでいる場所が私のいる場所だという思いがあり、丁重に断りました。子供が親の影響を受けるのは当たり前のことですし、それがどんなものであれ、子供は親と一緒にいたいものだと思います。
 親と子供はお互いに影響を与え合いつつ、人類の営みは続いていくのだろうと思います。
(聞き手/程原ケン)

高田かや(たかだ・かや)
東京在住、射手座、B型。生まれてから19歳まで、カルト村で共同生活を送る。村を出てから一般社会で知り合った男性と結婚。カルト村での初等部時代を描いた初の単行本が大きな話題に。本書が2冊目となる。

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