葉月あや 2019年5月2日号

安倍自民「権力闘争」激化! 麻生財務相VS二階幹事長&菅官房長官

掲載日時 2019年01月16日 06時00分 [政治] / 掲載号 2019年1月24日号

安倍自民「権力闘争」激化! 麻生財務相VS二階幹事長&菅官房長官
安倍晋三

 7年目に突入した安倍政権は憲政史上最強ともいえる「一強体制」を築き上げたが、明け早々、暗雲が漂いだしたともっぱらだ。年初の株価暴落のアップル・ショック? そうではない。水面下で激しい党内抗争が勃発しているのだ。

 その党内抗争、安倍政権の扇の要である麻生太郎副総理兼財務相VS二階俊博幹事長&菅義偉官房長官というから看過できない。この抗争に安倍周辺は「一歩間違えば、政権崩壊の引き金」と警戒感を強めている。

 全国紙ベテラン政治部記者が背景を解説する。
「もともと、麻生副総理と菅官房長官は消費税導入のタイミングなどをめぐり対立し、仲はよくなかった。だが、今回ばかりは政界の大物らを巻き込んでの福岡県知事選で激突している。最近、地元県会議員補欠選挙で麻生氏の元秘書が敗れ、年明け早々の北九州市長選挙では現職に不満ながら独自候補を擁立できなかった。麻生氏の求心力低下が指摘されるだけに今回、地元知事選で大混乱なら麻生氏の政治生命にかかわると囁かれているのです」

 自民党長老議員が補足する。
「裏を返せば、これまで安倍政権を支えてきた麻生、菅、二階トリオが、ポスト安倍を睨んでの最終戦争が始まったんだ」

★福岡で“反麻生”決起集会
 まず、福岡で何が起きているのか。先のベテラン記者がトレースする。

「昨年のクリスマスイブ、福岡市内のホテルで『反麻生決起会』が密かに行われたのです。集まったのは今春の統一地方選で3選を目指す小川洋福岡県知事、それに二階幹事長の懐刀、武田良太衆院議員、石原派のドン・山崎拓元自民党副総裁、岸田派重鎮の古賀誠元幹事長らです。そこで小川知事への全面支援が再確認されたのです」

 実は、小川知事と麻生副総理は2016年の鳩山邦夫元法相急逝後の衆院補欠選挙で対立。以来、麻生氏は小川降ろしに躍起だった。ところが、事を急変させたのは菅官房長官だった。
「イブ決起の1週間ほど前の12月16日、突然、菅氏は福岡を視察し、そこで小川知事の全面支援を約束した。小川知事は出馬表明の手を挙げた際、地元自民県連に潰される危機を感じ取り菅氏に直訴したわけです。この“菅作戦”に相乗りしたのが、二階幹事長や自民党重鎮の古賀、山崎氏ら。彼らは裏で手を組み、麻生潰しに一挙に動き出したのです」(同)

 反包囲網に危機感を抱いた麻生氏は、元厚生労働官僚の武内和久氏を自民県連の推薦候補とする方向で根回しした。
「反麻生の菅氏がポスト安倍に強い意欲をもって動き出した証拠です。G20サミット開催地も麻生氏が福岡に決めていたのを、菅氏は自分と親しい松井一郎府知事の大阪に大ドンデン返し。さらには昨年の臨時国会で大モメした改正入管法も公明党と連携、施行を急いだ。昨今では安倍政権の重要な政策はすべて菅氏の思惑で進んでいる。それでも菅氏にとっては麻生氏の存在がポスト安倍への最大の脅威。だから、ここで最後のトドメを刺すために麻生殲滅作戦に出た。それが福岡知事選です」(自民党事情通)

 中でも、公明党との連携は菅氏がポスト安倍を狙ううえで「生命線となる」と言うのは、在阪全国紙社会部記者だ。
「福岡知事選でも小川知事はいち早く公明党の推薦をもらうために動いた。これも菅氏の差し金。今や菅氏は公明党の支持母体である創価学会の主流派、谷川佳樹副会長、佐藤浩副会長と太いパイプを持つ。’14年、橋下徹前大阪市長らが進める大阪都構想に公明党が反旗。これに怒った橋下氏らは公明党潰しに総選挙出馬で動いたが、その時、橋下氏らの出馬を止めたのも菅氏だ。昨年末、公明党と松井府知事がまた大阪都構想をめぐり激突、再び間に立って調整したのも菅氏です」

 調整の経緯はこうだ。松井府知事と吉村洋文大阪市長は、大阪都構想で住民投票実施を再検討。この投票時期をめぐり公明党と対立。ところが年末、松井府知事、橋下氏らが菅氏と会食し、菅氏の説得で双方の落としどころを探り出したのだ。

 それにしても、菅氏と公明党や創価学会の信頼関係の源泉は何か。
「菅氏は創価学会との約束を身を挺して守るからだ。’16年参院選がいい例です」(学会事情通)

 ’16年の参院福岡選挙区。公明党は高瀬弘美候補を擁立し、厳しい戦いを強いられていた。一方、自民党は大家敏志氏が立候補した。
「自民党福岡県連は麻生氏が選対本部長で、公明党無視で大家氏を全面支援した。ところが、福岡県連の頭越しに自民党本部が高瀬氏の推薦を決めた上に、菅氏が高瀬氏の応援にわざわざ来福した。当然、自民県連は激怒。結果的には大家、高瀬両氏が当選し事なきを得たが、菅氏と麻生氏の間には大きなシコリが残った。つまり、菅氏は麻生氏と対決してでも、公明党と学会の信義を重んじたのです」(同)

 それだけではない。
「今夏予定の参院福岡選挙区で、麻生氏は自民候補2人擁立論をぶち上げている。しかし、菅氏は2人擁立は公明党候補に不利として、2人擁立論を退けたのです」(地元県議関係者)

 菅氏にすれば、自民党が衆参とも過半数の議席を保てる背景は創価学会のフレンド票のおかげと確信している側面が強い。
「学会票に助けられる自民の当選議席はおよそ100議席と菅氏は弾いている。公明党、学会との信頼維持が安倍政権にとって、この先も、菅氏が政権奪取するにしても絶対条件。その条件継続のためなら、麻生氏を敵に回すのもいとわないのが菅氏の政治手法です」(自民党幹部)

★密度増す安倍︱麻生ライン
 菅氏に続き二階幹事長も反麻生を露骨にし始めた。前述のように福岡知事選では、二階氏側近の武田衆院議員が反麻生の急先鋒だ。
「麻生VS二階の対立が表面化したのは今回が初めてではない。鳩山元法相の死去に伴う’16年の福岡6区衆院補選ですよ。麻生氏は県議会議長を務めた蔵内勇夫氏の息子、謙氏を全面支援した。一方、二階氏は二階派の武田衆院議員が推す邦夫の次男、二郎氏に肩入れし、菅氏も便乗した。結果は二郎氏が当選した」(地元政界事情通)

 以来、麻生氏は二階氏を腹の底で憎んでいるとされる。裏を返せば、麻生氏は「潰される前に潰せ」と菅氏同様、二階氏潰しにも余念がないともっぱらだ。
「その流れなのか不明だが、年末年始、二階闇資金疑惑が急浮上した。官房機密費と並び使途報告義務がない自民党政策活動費が’10年の約7億8000万円から’17年は19億円に急肥大。内7割の約14億が二階氏案件。財務省が脱税疑惑はないか注目しているという情報が飛び交った。昨年末、二階氏が体調不良で検査入院時も、麻生氏は周囲に『二階では選挙は戦えない』と強くけん制していた。麻生氏の腹は麻生派で安倍首相の信頼も厚い甘利明選対委員長を幹事長にすること。二階氏が福岡で邪魔するなら麻生氏は一気に二階氏を潰しに行く。麻生氏は1月3日、安倍私邸を訪ね極秘会談。昨年12月12日にも麻生氏は甘利氏を交え安倍首相と会食、安倍―麻生ラインは密度を増している」(消息筋)

 攻められる二階氏にすれば、統一地方選、参院選の陣頭指揮を執り、さらなる派閥勢力拡大が最大の防御となる。その意味では、自派の長崎幸太郎氏を擁立する1月27日投開票の山梨県知事選が前哨戦となる。
「野党が推す現職の後藤斎知事と事実上の一騎打ちで、長崎氏一歩リードの情報もある」(同)

 自民党三国志!?

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