片山萌美 2019年7月4日号

自宅の土地が「昔は川だった!」 札幌液状化に学ぶ“新常識”

掲載日時 2018年09月28日 19時00分 [社会] / 掲載号 2018年10月04日号

 北海道胆振東部地震の深刻な被害の実態が明らかになってきた。
 地震による液状化現象で住宅が傾き、雨も降っていないのに家の前は泥の海。以前は川だった地域に、札幌市が液状化を防ぐ工事を行っていなかったとして、清田区や東区の住民から、市の責任を問う厳しい声が上がっている。
 防災ジャーナリストの渡辺実氏が言う。
「かつて川が流れていた場所を旧河道と呼びますが、分譲した住宅地がそういう場所だということを、不動産屋は言いません。沿岸部や埋め立て地など、液状化の可能性がある地域は、自治体が情報を出さなくてはならない。今後、こうした問題は尾を引きそうですね」
 それなのに、国交省によると、液状化マップを備える自治体は全国で20%程度しかないというのだ。
 全国紙記者が言う。
「実は、地形や地盤ごとに将来の被害の危険性を評価するのは難しい。そこで、国土地理院はハザードマップの新しい作り方を開発したんです」
 これは、まず過去の被害記録を基に、川沿いや崖下などのタイプごとに液状化の危険度を「非常に大きい」から「ほぼ無し」の5段階に分類。50㍍四方ごとのデータを盛り込んだ地図に、危険度別に自動で色分けする。さらに、池や沼を埋め立てた場所など、現在の地形では見えない部分を地元自治体が補正して精度を高めるというものだ。
 とはいえ、札幌市の場合はそれ以前の問題。これから地盤を改良するとなると厳しい現実に直面する。
「例えば、東日本大震災で液状化した千葉県浦安市の改良工事は難航しています。地中に壁を作り、液状化を防ぐというものですが、個人が負担する金額は100〜400万円にのぼる。ただでさえ多額の住宅ローンを抱えている世帯にとっては、さらに数百万の上乗せとなると返済不能になるケースも。自然災害なら我慢もできるが、液状化は“ほぼ人災”です。札幌の問題はこれからが正念場。自治体、不動産会社、個人が話し合い、場合によっては裁判になるでしょう」(前出・記者)
 これから一軒家を購入する人は、役場や図書館で昔の地図を開き、川や沼の場所を確認したほうがいい。
「札幌は、地震マップを見ても安全な地域だった。それがこんなことになるなんて…。日本中、安全な所はないということです」(サイエンスライター)

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