菜乃花 2018年10月04日号

強制性交としか見なされなかった自称ミュージシャンと少女の恋(1)

掲載日時 2018年03月10日 23時00分 [事件] / 掲載号 2018年3月15日号

 丹羽太郎(29)は私大スポーツ科を卒業後、サラリーマンとして就職したが、そこが典型的なブラック企業で、精神も肉体も崩壊寸前になった。
 27歳のとき、「自分の人生はこれでいいのか」と疑問を抱き、脱サラを決意。「好きな音楽で食べていこう」とアマチュアバンドのメンバーに加わり、ピアノの弾き語りを始めたが、全く芽が出なかった。
 そこで目に入ったのが、お笑い芸人の扮する架空のアーティストが、ネットを通じて世界的な有名人になったというニュースである。
 「そうだ、オレもユーチューブやニコニコ動画に投稿して、ネットアーティストとして一花咲かせよう」

 そこで丹羽は自分で作詞・作曲したというオリジナル曲をネットにアップし、「昭和世代は知らない若者に人気のシンガーソングライター」「インターネットから世界へ。日本の音楽はクソだからブッ壊したい」といったキャッチフレーズを掲げて活動を始めた。
 《元気出せよ…/ずぶ濡れの子猫みたいな君が愛しくて/かけがえのない気持ちが生まれていく/ひとりぼっちなのかい?/ふたりぼっちはどうだ?/ひとりじゃないよ今夜だけは…》
 オリジナル曲だけでなく、有名人のカバー曲をアップして視聴回数を上げるなどして、「ここから始まる伝説はあなたが見ることになるのだ」と自信満々。〈音楽一本で命を懸けていく。どこまでできるか分からないけど、一度きりの人生じゃないか〉〈これこそが本当の音楽の才能。何をもってしてでも成し遂げたい夢がある〉などとツイッターやブログで宣伝した。

 こんな自己顕示欲丸出しの姿でも「カッコイイ」と感じてしまう世代があるらしい。それが後に被害者となる中1少女のユミさん(12)だった。
 ユミさんは中学入学と同時に母親にスマホを与えられており、有害サイトへのアクセスを制限するフィルタリング・ソフトも付加されていたが、それに該当しないユーチューブは頻繁に見ていた。
 そんなときに知ったのが丹羽の活動だった。

 ユーチューブには動画を見る他にコメント機能がある。「気軽にコメントしてね」という一文を見て、彼女は自分の名前を書き込んでコメントしてしまった。
 いったんネットに書き込んだコメントは必然的にネット全体に表示されることになる。そこにはどんな人種が潜んでいるかなど、幼い少女は考えもしない。
 幸いにもユミさんは犯罪予備軍たちに狙われることはなかったが、そもそも視聴回数が30回前後しかなかった丹羽は「初めてファンができた」と大喜びした。

関連タグ:男と女の性犯罪実録調書

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