「おぐらが斬る!」永山絢斗・日大アメフト部など若者に広がる大麻は解禁すべきか?

社会・2023-08-29 20:23
「おぐらが斬る!」永山絢斗・日大アメフト部など若者に広がる大麻は解禁すべきか?
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大麻所持で起訴された俳優の永山絢斗(ながやまけんと)34歳の初公判が8月28日に開かれた。

永山被告が初めて大麻を使用したのは、中学2年の夏、音楽イベントで先輩に勧められてのことらしい。そのときは気持ちが悪くなって使用はやめ、再び手を出したのが18~19歳くらいのとき知人に勧められてという。それから永山被告は「やめられなかった」というから十数年ずっと使用を続けていたのだろう。

他にも日大アメフト部や東京農業大学ボクシング部、岐阜の朝日大学ラグビー部などで部員たちが大麻取締法の疑いで逮捕されている。検挙数などを見ても、大麻は若者に広まりつつあることは事実のようだ。

中には「大麻ごときで逮捕して、若者の一生を傷つけることはないんじゃないか」とか「タバコより害が少ないならいいんじゃないか」といった意見がある。

例えば「医療用大麻」を合法化している国は47ヵ国、米国では37州で合法化されている。

「嗜好用大麻」となると、世界ではカナダ、ウルグアイ、ルクセンブルク、ドイツ(ドイツは2024年から)のわずか4ヵ国だけだ。

ドイツの場合、21歳以上の人が1日25グラムまで、1カ月に50グラムまでという制限の下、大麻を合法的に入手できるようになる。また、18歳以上21歳未満の人も、1カ月に30グラムまであれば入手可能となる。

ドイツ政府によると、組織犯罪を削減するのに有効であるとの観点から合法化を進めているらしい。

そして大麻の「非犯罪化」の国もある。これは「違法ではあるが逮捕・投獄などの対象にはならない軽犯罪」として扱うということだ。

「嗜好用大麻」の合法化や非犯罪化の理由は、「犯罪組織による密売流通を防ぐ」「合法化した方が管理できる」「合法化すれば課税ができる」との理由であり、決して安全だからという理由ではない。

また、大麻は「ゲートウェイドラッグ」と言われ、覚せい剤やコカインといったより有害な違法薬物への入門ドラッグとしても危険視されている。

俳優の永山絢斗被告が初めて大麻に触れたのは中学2年のときだ。幸い彼は「そのときは」使用はやめたが、18~19歳で再開している。

日大アメフト部では大麻と一緒に覚せい剤も発見された。東農大のボクシング部では、販売目的での大麻や合成麻薬LSDを所持していた。

大麻の生涯経験率は日本が1.8%に対し、米国45.3%、フランス44.8%、カナダ41.5%と、日本は各段に低い。海外の「嗜好用大麻」解禁は、あまりにも非合法に広まってしまったため「犯罪組織の資金源を断つためと、管理するために仕方なく」が実情のようで、まだ日本はそこまで広まっていないようだ。

「日本でも大麻を解禁すべき」という人は多いが、「医療用大麻」は、しっかりと治験をして、本当に効果があるなら認めてもいいのかも知れないが「嗜好用大麻」の解禁は必要ないのではないだろうか。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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