中島史恵 2019年6月6日号

「疲れた」の口癖から解放! トリの胸肉から坑疲労物質(イミダペプチド)を発見!(2)

掲載日時 2010年02月18日 00時00分 [健康] / 掲載号 2010年3月4日号

 産官学とは、大阪市立大学、大阪市、それに大手医薬品メーカーなど民間企業18社を加えた開発プロジェクトである。15億円の予算を投じた多角的な研究グループとなった。
 総額にして30億円を費やした「疲労研究」は、疲労回復に有望と思われる23種の物質テストに着手した。
 その結果、疲労を軽減する次の4つの物質が浮上する。

(1)鶏の胸肉やささみに多く含まれるイミダゾールジペプチド(アミノ酸が2つ繋がったペプチド)
(2)未熟果のリンゴの皮などに含まれるプロシアニジン(ポリフェノールの一種)
(3)細胞などのミトコンドリアに含まれるコエンザイムQ10(酵素の働きを助ける補酵素)
(4)レモンや梅干しに含まれる豊富なクエン酸(有機酸)

 この4つのなかで、疲労回復に突出した効果を見せたのが「イミダゾールジペプチド」(以下、イミダペプチド)という物質だった。
 梶本教授がこう解説する。
 「このイミダペプチドという物質は、そう珍しいものではありません。同物質が大量に含まれているのは、トリの胸肉、マグロの尾ひれ部分などです。渡り鳥が1万キロも休まず飛び続けるメカニズムは、あの翼の付け根部分に含まれるイミダペプチドにあったわけです」

 事実、どれほどの効果があるのか、さまざま実験が何度も繰り返された。
 例えば、普段、疲労感を訴えている成人男女207人を対象にして、1日にイミダペプチドを400mg摂取したグループ、同じく1日にイミダペプチドを200mg摂取したグループ、プラセボ(偽薬)を摂取したグループの3つに分けた。
 3つのグループに分けて2カ月間摂取させ、摂取後の疲労感を自己採点方式にして回答を集計してみた。
 結果、疲労感は、400mg、200mg,プラセボのグループの順に低下していた。
 明らかにイミダペプチドを多く摂取するほど疲労感が少ない。
 同実験に使用されたイミダペプチド400mgは、鶏の胸肉60〜100gに含有する量に相当する。
 したがって、鶏の胸肉を毎日100gを食べ続けたら、疲労軽減効果が得られるという計算になる。
 だが、鶏肉の嫌いな人もいるし、いくら疲労がたまっているとはいえ、鶏肉ばかりを食べるわけにもいかない。

 実は、疲れを知らない渡り鳥について「なぜ?」と、早くから研究に取り組んできた民間企業があった。
 ハム・ソーセージなどの食料品メーカーで知られる「ニッポンハム」の中央研究所(つくば)だ。
 同社は、産官学連携団体プロジェエクトの研究成果を踏まえ、「(株)総合医科学研究所」との共同開発で、すでに商品化に成功している。
 ドリンク剤『イミダペプチド』(販売:日本予防医薬)といい、10年後に12兆円規模の市場に膨らむと予想されている。

 日本に生まれた抗疲労飲料。世界のどこまで飛び立つかが楽しみだ。

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