男の酒道VOL.169 ~函館からの何かしら~ ミクターズ編
ドリンク・2023-12-01 20:27函館は既に銀世界。例年より一寸早い気も致しますが、普通に雪が積もってます。
さて、今回はバーボンを紹介致します。
こちらの写真は《MICHTER‘S US-1/ミクターズ US-1》と言います。
バーボン好きにはお馴染みの一品ですが、意外に置いてあるBARは少ない気が致します。
現在はハードリカー=シングルモルト的なイメージになっているのでバーボン自体あんまり動かないからかも知れません。
ミクターズの創業は1753年。アメリカ最古の蒸留所の一つです。
アメリカ独立戦争(1775年~1783年)がおこる22年も前のお話です。
独立戦争時には後のアメリカ初代大統領ジョージワシントン(当時は将軍)と兵隊が蒸留所を訪れ士気を高めたと言うお話が残っております。
当時は「シャンクス」や「ボンバーガー」と呼ばれていました。
現在、ミクターズは《ケンタッキー州》の《ルイビル》にある、《Michter’s Shively /ミクターズ・シャイヴリー》蒸溜所で造られています。
*2015年~現在
ここのウイスキーは《コストを度外視して製造する!》をモットーとしております。
他の蒸留所では行わない作業工程が有ったりしますのでそちらも紹介致します。
1.熟成に用いる樽は、一度《トースト》して樽材内部を加熱した後、焦げ目をつける《チャー》を行う。
*これにより樽由来のフレーバーが上質に、豊かになります。
2.業界基準(130 proof)よりも低い度数(103 proof)で樽詰めを行う。
*熟成後の加水調整を最小限にとどめる事で香味の複雑さが増します。
3.熟成庫に《ヒートサイクル》を入れ、温暖な状況を維持する。
*熟成スピードが圧倒的に早くなります。
現在のウイスキー造りはテクノロジーの進化に伴い熟成を短期間で済ませたり品質を高い所で維持出来るようになりました。
ここの蒸留所はその最たる所かもしれません。
・・・と、まぁこんな感じで書いてきたのですが。。。
実は、これらの「歴史の部分」は断絶されてます。
かつて、ミクターズ蒸溜所は現在の「ルイビル」ではなく「ペンシルベニア」にあり、1990年に経営不振で閉鎖されるまで(蒸溜は1989年まで)ウイスキーを生産していました。
その後、この旧ミクターズ蒸溜所(ボンバーガー蒸溜所)の1970年代蒸留の原酒の一部が、長期熟成を経て以前紹介した《ハーシュリザーブ》としてリリースされることになるのですが・・・。
1997年に、放棄されていたミクターズの商標権を、《チャタムインポート社》が取得。
2000年以降は原酒を他の蒸留所から調達してミクターズ名義で販売をしております。
まぁ、バーボンでは珍しい話しではありませんし、ちょっと前まで殆んどがそうでしたしねw
また、同社は《ブラウンフォーマングループ》との結びつきが強く、2015年に発売を開始した《US‐1》では、アーリータイムズ蒸溜所の原酒に独自の工夫を施して熟成させたものだとも噂されてます。
美味けりゃ良いんですよw
これから先も期待して良いメーカーだと思います。是非一度お試しくださいませ。
本日も皆様が素敵なお酒に出会えますように。
監修
Bar ADDICT
〒040-0035 北海道函館市松風町20‐1
ライジングビル2F
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