男の酒道VOL.173 ~函館からの何かしら~函館の蒸留所②編

ドリンク・2024-01-31 20:50
男の酒道VOL.173 ~函館からの何かしら~函館の蒸留所②編
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さて、今回は前回に引き続き函館に出来た《ディ・トリッパー蒸留所》を紹介致します。

場所は函館山の麓にある《元町》と言う所。
観光客がわらわら歩いている場所で御座います。

建物の中に入りますと右手に原材料の大麦麦芽が積まれています。

北海道産大麦麦芽を100%を使い、これだけで原価が3倍になりますwww

ちなみに国産大麦を使うと言う事は自然に《ノンピート》になります。

ピートを焚ける施設が無いのです。*サントリーは持っていると言う話も。。。
ですので、ジャパニーズウイスキーでピートを感じる物は全て外国産のモルトを使用しております。

単純に日本ではピートを焚く文化が無いんですね。

もしかしたらそのうちピーテッド麦芽を作る専門業者が出て来るかもですが。。。

さて、入り口から左手を見ると巨大な寸胴をくっ付けた様な機械があります。

これは粉砕した麦芽にお湯を足してドロドロのお粥の様にする機械です。

これに《酵母》を足して発行させるのですが、その施設は建物一番奥の左手に有ります。

《発酵槽》と言うのですが、此処のは《たまご型》をしています。

コンクリートで作られており、内側に4重のコーティングがされてます。

ここで初めてアルコールが発生致します。

この発酵槽は《E.T.》と名付けられてます。容量は750ℓ。

「なんで?」って聞いてみたら「ぽくないっすか?」と答えてましたので、まぁそう言う事なんでしょうwww

そして発酵槽の手前に有る物が《蒸留器》です。

蒸留所ですのでもちろんこちらが心臓部となっております。

こちらの蒸留器は《ハイブリッドスティル》です。

ポットスティルとパテントスティルの良い所取りのハイブリッドスティルです。

ざっくり言うと下部がポットスティルで上部がパテントスティルです。

オランダ製の《アイ・スティル》と言う物でステンレスで出来ております。

日本国内では焼酎を作るのに使われてます。
・・・で、ここで問題が起きます。

そこで皆様に質問ですが、シングルモルトウイスキーを作るのにポットスティルが使われますが、その材料は何でしょうか??? ・・・答えは《銅》です。

簡単ですねw では、何故に銅製なのか?

通常、蒸留の際には《フーゼル油》と言う物が発生します。

このフーゼル油には独特の匂いがあり、これを《フーゼル臭》と言います。

簡単に言ってしまうと《生ゴミ》の臭いです。

蒸留された時は《気体》ですよね? ・・・では、どのタイミングで液体に変わるかと言うと、何かにぶつかった時なのですよ。
簡単に言うと《ネック》の部分です。

そのぶつかる所が《銅製》だと《フーゼル油》の発生を抑え込む事ができます。

他の方法だと《減圧》して蒸留温度を下げるとフーゼル油は発生しません。

最近臭い焼酎が無くなったのはこちらの手法ですね。

ディ・トリッパー蒸留所ではこの部分(ネック)に大量の《銅製のスプリング》を使ってます。

次回もう一本続けます。

本日も皆様が素敵なお酒に出会えますように。

監修
Bar ADDICT
〒040-0035 北海道函館市松風町20‐1
ライジングビル2F

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