RaMu 2018年12月27日号

塚原夫婦「朝日生命」vs具志堅派「日体大」権力奪還抗争

掲載日時 2018年09月19日 17時00分 [スポーツ] / 掲載号 2018年9月27日号

 ただの「パワハラ騒動」ではなくなってきた。宮川紗江選手(19)側に「金銭トラブル」が発覚したのだ。塚原夫婦との抗争劇は、「覇権争い」へとすり変わりつつあるようだ。
「日本体操協会に告発文が届いていたんです。宮川と暴力指導を問われた速見佑斗コーチ(37)が『スポンサー契約で揉めている』とするもので、その発信者は2人とスポンサー契約を交わしていた体操クラブの代表者でした」(アマチュアスポーツ要人)

 '17年10月からの5年契約で、宮川は大阪体育大学とアスリート契約を結んでいた。これは海外合宿費やコーチ料をサポートするという内容になっていた。
「5年という契約期間になったのは、'17年時点で宮川選手が入学してくれると見込んだからです」(同)
 だが、宮川は'18年4月からの大体大入学を見送った。さらに奇妙なのは、'18年5月に大手体操クラブRともスポンサー契約を締結。R側は大体大との契約を「知らされていなかった」とし、すでに支払っていた一部サポート資金の返還を含むトラブルに発展していたのだ。
「弁護士を入れての話し合いになりました。速見コーチには宮川選手への指導料を含む通信費を渡されていたんですが、告発文によれば、お金はもう残っていないと。同コーチの謝罪会見が行われた9月5日時点では解決したと言っていましたが」(体協詰め記者)

 宮川サイドの山口政貴弁護士は「2社との契約例は他にもある。事前に大体大のことは知らせていた」と反論していたが、そもそも速見コーチの処分を話し合っていた7月時点で、協会幹部は告発文を受け取っていた。ゆえに同コーチの処分を検討するきっかけは暴力指導ではなく、二重契約の告発だったのだ。
「速見コーチの行きすぎた指導はこれまで黙認されてきたんです。それはそれで問題ですが」(同)
 宮川選手の「処分は重すぎる」「塚原夫妻によるパワハラ」なる会見も額面通りには受け止められなくなってきた。しかし、騒動の焦点は、これだけではない。
 宮川選手の会見以前に協会の全幹部が告発文に目を通し、裏取りも終えていた。なのに、彼女の会見後に現れた具志堅幸司・副会長はこうコメントしている。
「18歳の少女が嘘をつくとは思えない」

 具志堅氏は渦中の塚原光男氏(70)と同じ副会長職にある。この時点で、世論は塚原副会長の「全部ウソ!」なる発言に呆れていたのだが、告発文書を知っていたのなら、せめて中立の発言をしてもよかったはずだ。具志堅副会長の発言で、塚原夫婦の闇の部分を察した取材陣は少なくない。
「派閥抗争にすり替えられたようです。体操協会は塚原夫婦を頂点とする朝日生命体操クラブと、日本体育大学出身の二大勢力があって、微妙な人事バランスによって均衡が保たれていました」(前出・要人)

 メディアに出演し、宮川擁護の発言を続けてきた森末慎二、池谷幸雄、そして、宮川を応援する立場を鮮明にした田中理恵、鶴見虹子らは日体大の出身。そして、具志堅副会長も日体大OBである。
「'91年の全日本選手権で朝日生命クラブ寄りの採点がされ、出場選手の大半がボイコットする大事件も思い出されます。その際、塚原夫婦は責任を取って辞任しましたが、結局、戻ってきました。宮川サイドは塚原夫婦の『直接謝罪したい』という申し出を断っています。その理由は、塚原夫婦が協会に残る可能性があるからだと話していました」(スポーツ紙記者)

 宮川サイドと日体大グループの狙いは、塚原夫婦の“排除”である。
 また、その全日本選手権を混乱させた“千恵子判定”だが、'80年代を知る関係者はこう語っていた。
「選手が大技を決めたとき、加点するかどうか迷いますよね。そういうとき、塚原千恵子さんは『ひねりきっていないわね』と囁いたり、朝日生命クラブの選手が演技をするときは、その近くまでいき、技を決めるたびにいちいち頷くんです。そういうしぐさで採点に圧力を掛けていたんでしょう。他クラブの指導者はそう解釈していました」

 その塚原千恵子強化本部長(71)だが、ここしばらくは「心労」で公務も欠席していた。しかし、一部メディアに出演し、5時間も自身の正当性をぶちまけ、「心労で休んでいたのに長時間もしゃべらされて、お気の毒に」なる皮肉も聞かれた。
「具志堅副会長は日体大OBたちと連絡を取り合っています。第三者委員会の調査ですが、宮川サイドと塚原夫婦の痛み分けになると予想されており、塚原夫婦はそのまま退くと見る関係者も少なくありません」(前出・体協詰め記者)
 塚原夫婦の除名はともかく、退任が確実となれば、陣頭指揮を執るのは筆頭副会長の具志堅氏だ。

 「第三者委の調査報告前に、宮川サイドが一転して謝罪を受け入れるのでは。オトナの対応を見せて世論を味方にする。そして、『協会は塚原体制を変えられないのか?』という空気を作るのではないかと」(前出・要人)
 暴力指導は許されない。塚原夫婦が二重契約の問題を出してきたことで、宮川サイドへの見方も少し変わっていた。しかし、この一件で、体操協会の覇権争いは加速した――。

関連タグ:パワハラ 宮川紗江


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