〈男と女の性犯罪実録調書〉①妊娠5カ月の元妻を袋詰め 海に沈めた風俗店員の元夫

官能・2020/06/09 00:00 / 掲載号 2020年6月18日号

「無人の手漕ぎボートが漂流している」

 航行中の外国籍のコンテナ船から海上保安庁に連絡が入った。そこは海流がぶつかる潮目で、漂流物が集まりやすい場所だった。

 海上保安庁がヘリや巡視船で付近を捜索したところ、ボートから約200メートル西に別の浮遊物を見つけた。それは風俗店がよく使うリネン袋が膨らんだものだった。

 引き揚げて中を見ると、人間の遺体が入っていた。遺体の両足はロープで縛られており、重さ約20キロの鉄製のダンベルが2個くくりつけられていた。

 司法解剖の結果、遺体は20代の女性。妊娠5カ月。女児を授かっていた。今どきのギャル風で、手の10本の指には白い付け爪がきれいに残っていた。

 それから3日後、遺体の身許は元ヘルス嬢の矢代友美さん(21)と判明した。それと同時に「唯一の殺害の動機を持つ者」として真っ先に浮上したのが、別れたばかりの元夫の井上和弘(30)だった。

 井上は風俗店従業員として働いていたが、遺体発見直後から行方不明になっていた。その井上は「逃げきれない」と警察に出頭してきて、殺人と死体遺棄の容疑を認め、「愛憎の葛藤の末に殺した」と供述した。

 友美さんと井上の結婚生活は、わずか3カ月ほどでしかなかった。その前の同棲期間中に妊娠が発覚し、友美さんの21歳の誕生日に入籍したが、お腹の子供が井上の子供であるかどうかは確証がない状態だった。

 井上と友美さんは事件の8カ月前、デリヘルの送迎ドライバーとコンパニオンという立場で知り合った。井上は前妻との間に2人の子供がおり、トラック運転手として働いていたが、井上の浮気などが原因で約1年前に離婚。地元に戻り、風俗店の寮に住み込みで働くようになった。

 友美さんに一目ボレした井上は、すぐに友美さんと肉体関係を結んだが、それが店にバレ、系列店に飛ばされた。

 井上は友美さんが風俗店で働くことに関して、「気が狂いそうになった」と言うが、友美さんには別に交際している寺島春樹(26)という男がいた。

 友美さんが風俗店で働くようになったのも、もともと寺島とのデート代を捻出するためだった。井上はそれを承知の上で、横取りしようとしたのだ。
(明日に続く)

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