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「米ビッグ3」より「世界3位」の勲章 ロシアのボロ会社買収で馬脚 日産ゴーン社長の呆れた野望(1)

掲載日時 2011年07月09日 11時00分 [社会] / 掲載号 2011年7月14日号

 日産自動車と仏ルノーがロシアの自動車最大手アフトワズの買収に向け、最終調整に入ったことが明らかになった。既にルノーはアフトワズ株の25%を取得しており、日産が約800億円を投じて新たに25%の株式を取得することで経営権を握ることになる。
 大型商談の結果、日産・ルノー連合は販売台数でトヨタ、GMに次ぐ世界3位に浮上(昨年実績は4位)する。新聞、テレビが「世紀の英断」とばかりに報道するのも無理はないが、市場関係者は至って冷やかだ。
 「日産・ルノー連合が買収に舵を切った背景には、カルロス・ゴーン社長(ルノー会長)が去年の11月にロシアのプーチン首相からアフトワズ再建への追加支援を要請されたことがある。というのもルノーは3年前に大枚800億円を出資して再建支援に乗り出したのですが、その程度ではボロ会社の再建は軌道に乗らない。これに危機感を募らせたプーチン首相がルノー支援だけでは心もとないとして身売り話を持ちかけたところ、野心家のゴーン社長がパクッと飛びついたのです」

 そんな事情を踏まえれば、久々の大型商談にもかかわらず日産の株価が全く反応しなかったのも頷ける。何せ、アフトワズはロシア最大の自動車会社とはいえ、昨年の国内販売実績は「軽」を中心に僅か52万台。見事な赤字会社で、2009年は邦貨換算で1535億円の最終赤字。'08年も770億円の赤字だった。直近の'10年上半期は辛くも営業黒字を確保したにせよ、まだ通期決算は公表されていない。見方を変えれば、その発表前に日産・ルノー連合への慌ただしい身売りに活路を求めたのである。
 日産はアフトワズの大株主であるロシアの国策会社ロシアンテクノロジーズ、投資銀行トロイカ・ディアローグの両社から株式を取得することで合意している。が、実をいうとこの商談は昨年11月に日産が「10%程度出資する」として表面化しており、今回は25%取得による経営支配にまで拡大したことがミソ。
 「裏を返せば、ロシア側は焦りに焦って一気に経営権を手放すということです。これを逆手に取り、もっと買い叩いても良かったはずですが、なぜかゴーン社長はそこまでは踏み込まない。計算高い彼にしては随分物わかりが良いことから『何か別の魂胆があるのではないか』と冷ややかな目を向ける向きが少なくありません」(日産関係者)

 プーチン首相サイドとすれば800億円を拠出したルノーを“人質”に、日産からまたゾロ大枚を調達する図式である。たとえ日産・ルノー連合から総額1600億円を調達して株式の50%を握られたところで、アフトワズ自体は依然としてロシアに根を下ろす企業であることには変わりがない。

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