中村静香 2018年5月10・17日合併号

元妻の離婚後の私生活にブチ切れ… 息子に会えない父親 怒りの臨界点(2)

掲載日時 2018年04月15日 23時00分 [事件] / 掲載号 2018年4月19日号

 ところが、年の離れた美香さんとは事あるごとに意見が食い違い、激しくぶつかるようになった。カッとなると、佐野は子供が見ている前でも平気で暴力を振るった。それが「面前DV」という児童虐待の一種であるという自覚は佐野にはなく、約10年後には、耐え切れなくなった美香さんに離婚話を切り出された。
 そのときになって佐野は自分に非があったことに気付いたが、美香さんの決意は固く、「家は要りません。私は子供と一緒に出て行きます」と言って、息子の親権のみを選んだ。

 佐野は「まだ小学生の息子には、父親より母親の愛情の方が必要だろう」と考え、美香さんに「とにかく子供のことを一番に考えてやってくれ」と言って、離婚を承諾した。
 だが、美香さんは子供の学資保険の解約手続きなどを終えると、一切連絡してこなくなった。佐野がクリスマスや正月に〈これでプレゼントを買ってやってくれ〉と金を振り込んでもなしのつぶて。だんだんイラついてきた佐野は〈人生半ばで宝を失い、あなたを一生恨みます〉というLINEを送り付けるようになった。美香さんは怖くなり、LINEもブロックした。

 佐野は子供に会えない悩みを実家の母親にブチまけていた。
 「いつまでもそんなことでグズグズ言ってたらあかん。前向きに頑張っていたら、いつか会える日がきっと来る。私もアンタのことを忘れたことはない。それと同じ。父親なら、そういう姿を見せなアカン」
 だが、その実態は佐野が思っていたものとは違っていた。美香さんは新しい恋人との関係に夢中になり、佐野のことなど早く忘れてしまいたいというのが本音だった。しかも、その相手は職場の上司で、妻子持ちの男だった。美香さんはこうした事情を息子に隠して、「新しいお父さんよ」と紹介していた。息子はそれを信じて懐いていた。

 そんなとき、不動産屋のミスで、美香さんに送られるべき書類が佐野の住んでいる元の住所に送られるというハプニングがあった。それを機に佐野は美香さんが住んでいる現在の住所を知ってしまった。美香さんは子供の転校を避けるため、同じ学区内のアパートに住んでいたのだ。
 佐野は電話もメールも無視されるので、「荷物を渡しに来た」という口実で訪問するようになり、《一生恨む》《絶対に許さない》といった手紙を置いていくようになった。

 さらに美香さんの新しい恋人である石川さんの存在を知り、2人が息子をほったらかしにして、夜の繁華街で飲み歩いているところを目撃してしまった。
 「子供のことを最優先するという約束だったのに…。別れてから1年しかたっていないのに、もう男に走っているのか」
 佐野の中でメラメラと怒りの炎が燃え出した。

関連タグ:男と女の性犯罪実録調書

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