蝶野正洋の黒の履歴書 ★スピーチ下手の安倍首相

エンタメ・2020/04/19 18:00 / 掲載号 2020年4月23日号
蝶野正洋の黒の履歴書 ★スピーチ下手の安倍首相

蝶野正洋

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 新型コロナの政府の対策が二転三転しているけど、安倍首相は森友・加計問題、桜を見る会問題、それに昭恵夫人の花見問題と、ずっと追い詰められているね。

 俺の個人的な感想だけど、安倍さんは実際にやってることはともかく、国会答弁や記者会見でのスピーチがいまいち上手くないおかげで、より悪い印象になってしまっている気がするよ。

 あの淡々とした口調で、持って回った言い方を続けられても、まったくピンとこない。なんだかロボットみたいというか、自分で考えたメッセージじゃなくて、下からあがってきた文章を読んでるだけにみえる。

 それに安倍さんの会見を見ていると、自分の言いたいことだけを喋って、記者の質問を受けないことが多い。やっぱり記者の質問っていうのは、国民の声の代表なんだから、その疑問にどんどん答えていく姿勢を見せてほしいよね。

 安倍さんのあの喋り方は、時としては有効なのかもしれないけど、新型コロナで国難ともいえる事態になっているときには、頼りなく思えてしまう。世界のニュース映像を見てると、各国の首相や大統領がカメラに向かって、臨機応変に、力強いメッセージを出している。各国のトップと比べると、安倍さんの喋り方はハッキリしないし、緊迫感もないし、なによりリーダーシップを感じない。要は「断言しない」「内容がよく分からない」「意思が伝わらない」。本来、政治家って、民衆の気持ちをちゃんと感じ取って、自らの考えをアピールするものだよ。

 逆に考えると、安倍さんのあの独特の喋り方は、政治家としてすごいプロなんだと思う。厳しい質問をかわすときには効果があると思うけど、今の時期はそれじゃダメだよね。

★俺自身はアドリブ力がないほうだと思ってる

 そもそも、記者会見で喋るというのは大変だと思う。アドリブ力がいるし、しっかり準備しないと突っ込まれるし、ポロッと普段、考えてることが出てしまう。

 このあいだ不倫した俳優が、記者会見で急に「奥さんと愛人のどっちが好きですか」って聞かれて、しばらく黙っちゃったんだけど、結局「家内を傷つけるから言えない」なんて言ったんだよね。あれも、ちゃんと準備してなかったから、本心が出ちゃったんだろうね。

 でも、いきなり記者に囲まれてマイクを突きつけられたら、何も出てこなくなるというのも分かる。俺も自分ではアドリブ力はないほうだって思ってるからね。

 ただ、リングだったら、俺の言葉を待ってるお客さんがいるから、その空気を読んで、なんとか喋れるってだけなんだよ。

 マイク一つで、試合の印象すら大きく変わってしまうからね。

 あと、やっぱ慣れだろうね。実際に、たくさんの人に囲まれて何か回答が分からないことを質問されるってなったら、誰でもパニックになる。プロレスラーは年間に何百試合もやってるんだから、嫌でも上手くなるよ。

 安倍さんも、アドリブ力やスピーチ力をつけるために、1度リングに上がってマイクアピールしてみたらいいんじゃないかな。

 どんな言葉を、どんな喋り方をすれば届くか、少しは分かるかもしれないよ。

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蝶野正洋
1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。

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