釣れた魚と旨い酒!日本全国釣り行脚 京都府宇治市・宇治川産ギギ

エンタメ・2020/06/27 18:00 / 掲載号 2020年7月2日号
釣れた魚と旨い酒!日本全国釣り行脚 京都府宇治市・宇治川産ギギ

ギギ

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 そろそろ梅雨の季節になりますが、たまの晴れ間もジメジメ&ムシムシと暑くて、日中はついつい出不精になってしまいます。

 涼しい喫茶店でアイスコーヒーでもすすりながら、漫画を読むなんてのが楽しいものです。

 そして、日が落ちたところで夕涼みがてらに釣りに出かける。これがいいじゃないですか。

 とは言っても、海まで出かけるのはちと面倒ですから、近くの川へ出かけるわけです。これが意外にもバカにできず、環境のよい川ならコイやナマズ、ウナギやブラックバスなど五目釣りが楽しめます。水質次第ではありますが、もちろん釣果を食べることも可能です。

 今回、そんな淡水の釣りを京都府を流れる宇治川で楽しんできました。

 淡水魚の宝庫でもある琵琶湖から流れ出るこの川は、魚種が豊富なことに加えて水質もまずまず。特にブラックバスは50センチ級の実績があり、大物が期待できます。

 まだ明るい夕方前の川原に着くと、水量はやや多い感じです。近くにある電光掲示板に、すぐ上流に位置する天ヶ瀬ダムからの放水量が表示されていましたが、量としては特別多いわけではなさそう。水色もまだ青みが残っていますから、望みはありそうです。

 平等院の表参道を歩き、適当なところで川っぺりに出て支度にかかります。足元がやや不安になる石積み式ではありますが、観光地らしく護岸化されており、どこからでも竿が出せそうです。竿掛け用の三脚を立て、ハリにミミズを付けた竿を3本投げ込みます。

 滔々と流れる宇治川の流れは押しが強く、投げ入れた仕掛けはサーッと流されていきますが、これは想定内。流れのやや上へと投げ入れ、仕掛けが止まった所でアタリを待ちます。

 とは言っても、あまり遠くに投げると仕掛けがまったく止まらないので、近場限定です。まぁ、日が暮れて真っ暗になれば、浅場にも魚は回ってくるものですからねぇ。

 それにしても夕暮時の宇治川の畔は心地よく、鉄橋を渡る電車の音が時折聞こえてくる瞬間などは、何とも郷愁があります。
「日没まで、のんびり待ちますかねぇ〜」

 そんな心持ちで暮れなずむ景色を楽しんでいると、突如「ガシャンッ!」という激しい音とともに三脚が倒れ、1本の竿がすっ飛びました。何事や!?

★宇治川侮り難し立て続けに魚信!

 落水して青い水に吸い込まれていく三脚を目の端で追いつつ、慌てて竿を手にします。ただ、すでに糸が切れていて、正体は不明のまま。日没前に来るとは…。

 いや〜、油断しました。気を引き締めつつ、リールのドラグ(強く引かれると糸が出る機能)を緩めて、再び待ちます。

 それにしても、一瞬で三脚をなぎ倒し、糸をぶった切って行く大物がいるのですから、やはり宇治川は侮れません。

 やがて完全に日は落ち、辺りは真っ暗になりました。
「さあ、ここからが時合やで! 大物のアタリよ再び…」

 そう意気込んで竿先に付けた化学発光体を注視していると、「ミミンッ!」と揺れたような気が…。先ほどの大アタリを逃した後だけに、竿に張り付きます。
「ミンッ! ミミンッ!」

 およよ、もうすでに掛かっているのかしら?

 小刻みに揺れる反応は間違いなく魚信ですが、糸が引き出されることはなく、いい加減待ったあたりで竿を手にして煽ると「クンクンッ」と反応が伝わります。適度な重たさを感じながら巻き上げると、ギギが掛かっておりました。

 このエリアの川の夜釣りでは定番魚であり、もちろん食べられます。25センチほどとギギとしては良型ですが、先ほど大バラシをした後だけに、拍子抜けな感も否めません。
 とは言え、とりあえずは1尾目ということで血抜きを施して、クーラーへ仕舞ったのでありました。

★素朴な味わいで優秀な酒の肴に

 ギギは、琵琶湖周辺や京都あたりでは昔から食用とされていた魚なのですが、一般的にはマイナー魚の部類に入ります。まだ交通が未発達であった時代に、海から離れた地域の人々にとっては、貴重なタンパク源だったのでしょう。

 そんなギギで蒲焼きを作ります。脂乗りこそ今ひとつでしたが、川魚独特のクセの中に、うっすらと旨味が感じられます。素朴ながらも個性的な味わいで、これはこれで旨いのです。

 そして、三増酒の名残を残す安酒が、これまた素朴で丁度よい塩梅です。

 ブラックバスのような派手さもなく、釣りの本命魚としては扱われないギギ。

 場所によっては高確率で釣れて美味しいのですから、夕涼みがてらの“肴釣り”にはもってこいなのであります。

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三橋雅彦(みつはしまさひこ)子供の頃から釣り好きで“釣り一筋”の青春時代をすごす。当然の如く魚関係の仕事に就き、海釣り専門誌の常連筆者も務めたほどの釣りisマイライフな人。好色。

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