ネット上で金銭トラブルを告発? 元農水相銃撃事件容疑者の犯行動機

事件・2019/12/23 06:30 / 掲載号 2020年1月2日号

 去る12月10日の昼過ぎ、岩手県盛岡市の閑静な住宅街で、元自民党衆院議員で防衛庁長官や農林水産大臣を歴任した玉澤徳一郎氏(82)が銃撃される事件が起きた。計3発打たれた銃弾のうち1発が足に命中し、全治2週間のケガを負った。

「事件発生から2時間後、高齢の男が盛岡東署に自首してきました。男は『元農水相の玉澤徳一郎の自宅で本人を撃ってきた』と供述し、小口径の回転式拳銃1丁と実弾1発を持っていたため、銃刀法違反(加重所持)容疑で現行犯逮捕したのです」(捜査関係者)

 逮捕されたのは同県奥州市で農業を営む、高橋脩容疑者(82)だ。

「『貸した1000万円の返済を求めに行った』、『脅すつもりで足元に3発撃った。殺すつもりはなかった』と供述しています。金銭トラブルがあったことは間違いなさそうです」(同・関係者)

 詳しいトラブルの経緯はまだ捜査中のようだが、高橋容疑者と思われる人物がネット上に投稿した“告発文”には、玉澤氏との関係性や金銭トラブルが詳細に記されていた。

『「玉澤 徳一郎」に告ぐ』というタイトルの告発文は、《高校時代「死ぬも生きるのも一緒」と誓い合い、ドラム缶のイカダで、北上川の急流を盛岡から石巻まで6日間命懸けで下った仲だった》と、玉澤氏との学生時代の思い出話から始まり、玉澤氏が大学院に進んだ際には、《親も出さなかった学費を、(自分が)手を泥にして野菜を作り、稼いだ金を願われるまま、せっせと送っていた》と明かしている。

 さらに玉澤氏が落選した1972年の衆議院議員選挙では、《選挙資金として1000万円を借用書なし、あるとき払いの催促ありとの約束で貸付した》と、政治資金を援助したことが記載されている。

 当時の1000万円は、現在の貨幣価値からすれば1億円ほどの大金だが、2001年に内容証明にて督促するも、玉澤氏からは話し合いをしたいという手紙をもらうだけで一向に返済されることはなかったという。

 高橋容疑者は14年に「貸金返還訴訟」を盛岡地裁に起こすが、「すでに時効が成立している」として、請求は棄却される。法的に返済の義務はなくなったが、《君が同義を忘れた愚か者であることに変わりはない》と、15年に告発文の公開に至る。

 告発文の真偽は定かではないとはいえ、実際に玉澤氏への銃撃を強行した高橋容疑者。恨みは深そうだ。

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