ガソリンタンクで覚せい剤40億円密輸発覚薬物捜査官が語る“珍”手口

事件・2011/06/22 16:00 / 掲載号 2011年6月23日号

 神奈川県警は6月3日、アラブ首長国連邦から横浜港に輸入した中古車のガソリンタンクに水溶性の覚せい剤40億円相当を隠し持っていたとして、千葉県白井市の自動車販売業、本田譲治容疑者(61)ら男3人を覚せい剤取締法違反(営利目的共同所持)で現行犯逮捕した。
 県警の調べでは、本田容疑者らは横浜市中区の山下埠頭で、トレーラーに積み込まれた中古車のガソリンタンク内に、水に溶かした覚せい剤を隠していた。水は90リットルに及び、約50キロの覚せい剤が入っていると見られる。

 社会部記者が言う。
 「車は5月28日に到着しました。税関職員が調べたところ、ガソリンタンクにはメーンとサブの両方に液体が入っていたが、メーンに入っているのは無色透明でどうもガソリンではない。おかしいと思って調べたところ、覚せい剤入りの水溶液だったのです」

 発見されない自信があったのか、余裕綽々で車を取りに来た本田らを神奈川県警は現行犯逮捕したという。
 薬物担当が長い捜査関係者が語る。
 「極めて珍しい密輸の手口に見えるが、実は30年以上前、流行った古典的な手口です。当時は南米のヘロインも水に溶かして日本国内へ持ち込んでいた。中国からも洋酒に溶かして、覚せい剤を密輸する連中が後を絶たなかった。彼らは手に入れた覚せい剤入りの水溶液をもう一度炊き直して水を飛ばし、覚せい剤の結晶にするわけです」

 とすると、背後には密輸の工場を持つ大がかりな組織があるのか。
 「水を飛ばし結晶にすればいいだけなので、極端なことをいえば薬缶があればできる。しかし、そういう発想を今の若い人はあまりしない。捕まったのは相当、年季が入っているのでは」(同)

 このところ成田空港でも、海外で親しくなった日本人に手荷物を渡し、即席の運び屋にする手口も目立っている。
 長引く不況。底をつく資金源。手っ取り早く金儲けするには、やはり違法薬物がいちばんと考える連中が増えているということか。

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