菜乃花 2018年10月04日号

16歳で父親になった早熟男が強姦魔になるまでの10年間(3)

掲載日時 2016年02月29日 23時00分 [事件] / 掲載号 2016年3月3日号

 多田は逃走。彩香さんは夫に連絡を取り、病院に運ばれた。6針も縫う全治10日間のケガと診断された。
 当然、警察にも被害届を出し、彩香さんの膣内からは犯人の精液が検出された。犯人はコンドームを取り出す際、中身ごとカッターで切り裂いていたのだ。彩香さんが妊娠しなかっただけでも幸いだった。
 一方、多田は犯行を同棲相手に告白。まるで彼女のせいで犯行を起こしたかのようにすねて見せ、「ごめんなさい。警察が来るまであなたと一緒にいるわ」という言質を引き出した。

 多田は前回の事件で指紋やDNAを取られていたので、いずれ警察が自分を逮捕しに来ることは覚悟していた。しかし、いつまで経っても警察は現れず、そのストレスがまた多田をイライラさせた。
 「何を考えてるんだ、警察は。オレを尾行で追い詰めて、自首でもさせようって腹なのか? 最近、見知らぬ車が止まっていたり、細い道に入っても後ろから付いてくる車がいる。よし、警察が尾行しているかどうか確かめてやろう」

 逮捕直前、多田は地下鉄から降りて帰宅途中の女子大生(22)に襲い掛かり、いきなり上にまたがって顔面を何発も殴りつけた。
 「キャーッ!!」
 女子大生は大声で悲鳴を上げ、多田は周囲をキョロキョロと見渡すと、そのまま逃走。だが、それでも警察は追って来なかった。
 「何だ、気のせいか。もしかしたらこのまま捕まらずに済むかもしれない…」
 しかし、それは甘い考えだった。警察はとっくに多田の犯行を把握しており、他の面から当日の行動などを裏付けていたにすぎなかったのだ。

 ある日突然、警察がやってきて身柄を拘束された。女子大生に対する犯行もバレており、「レイプ目的だったんだろう!」と執拗に追及された。
 「違う。警察が自分を尾行しているのか確かめたかっただけだ。被害者には申し訳ないと思っている」

 結局、多田は2件の強姦致傷罪で起訴された。多田の特殊な性格については、公判に出廷した臨床心理士が「被告人には発達障害があり、周囲には理解し難いこだわりがある。他人が自分の思い通りに動かないとストレスを抱えるというものだ」などと説明した。
 多田の異常とも思えるこだわりぶり…。だが、多田の恋人は「彼が好きだからいつまでも待ちます」と宣言。キャバクラを辞めて弁当屋で働いていることも明らかにした。

 多田は懲役9年を言い渡された。犯行の遠因となったこの恋人は、それまで待てるのだろうか。
(文中の登場人物はすべて仮名です)

関連タグ:男と女の性犯罪実録調書

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