葉加瀬マイ 2018年11月29日号

フクシマ発 福島原発の常駐下請け作業員が本誌に集団告発「隠ぺいされる真実」(3)

掲載日時 2011年05月28日 11時00分 [社会] / 掲載号 2011年6月2日号

 仕事から帰っても、愛する妻や子どもに触れることすら躊躇する異常な状況。これほど過酷な労働条件にもかかわらず、報酬がそれに見合っているかどうかも疑問だ。
 「われわれは会社員なので、通常の給料ですよ。ただ、親会社さんのほうから“危険手当”が1日に1万円は支給されています」というが、さらされている危険度と将来にわたる不安感に比較すれば、決して高いとは言えない金額だろう。

 彼らを支えているのは、特別な報酬ではなく、使命感である。
 「自分らがやるしかないですから…。最後まで見守りたいし、やり遂げたい」(B氏)

 事故発生直後に放水作業を行った東京消防庁ハイパーレスキューの隊員たちも、強い使命感で現場に向かった心境をのちの会見で明かし、国民から最大級の称賛を浴びた。
 しかし、D氏(28)によると、実際に危険な作業をしたのは、彼らのような現場作業員だったという。
 「ハイパーレスキューは、指示したりとか放水のスイッチを押したりはしたかもしれないけど、放射線の強いエリアを通ってホースを引いたのはうちらです」

 これに対し、東京消防庁は「ポンプのホースを設置する作業は、すべて消防庁が行ったと認識しています。現場の方には、どこにホースを引くのかという案内や、夜間作業もしましたので照明を手伝ってもらったりしたようです」と反論する。
 また、自衛隊が瓦礫の撤去のために戦車を投入したことも話題になったが、「現場にはホースがあるから動かせないとか言って、結局、砲身の先まで念入りにシートを被せた状態でJビレッジに置きっぱなし」(B氏)というのが現状だ。

 活躍が報じられてヒーローになったのはハイパーレスキューや自衛隊だけだが、人知れず現場を支える名もなき作業員の身を案じ、涙を流しているのは家族のみということか…。
 「政府は『官民一体で』とか言っていますが、ここまで作業が遅れているのは、東電にやらせるだけで政府が何もしてないからですよ。とにかく放射線量の高い瓦礫が邪魔なので、自衛隊にブルドーザーか何かで一気に撤去させるとか、やれることはいくらでもあるはずです。官民一体と言うなら、もっとその意味を考えてもらいたい」(同)

 こうした現場の魂の叫びが、菅総理に届くことを祈るばかりだ。

関連タグ:福島第一原子力発電所事故

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