森咲智美 2018年11月22日号

話題の1冊 著者インタビュー 魔夜峰央 『このマンガがすごい! COMICS 翔んで埼玉』 宝島社 700円(本体価格)

掲載日時 2018年06月24日 18時00分 [エンタメ] / 掲載号 2018年6月28日号

話題の1冊 著者インタビュー 魔夜峰央 『このマンガがすごい! COMICS 翔んで埼玉』 宝島社 700円(本体価格)

 ――“東京で埼玉県民が虐げられる”ストーリーが衝撃的と、ネットを中心に大ブレイク。現在、62万部突破の大ヒット作となりました。36年前、本作を描こうとしたきっかけは?

 魔夜 当時、私は所沢市に在住しておりました。当初の予定では郷里の新潟から花の東京へ打って出るつもりでいたのですが、担当編集長の勧めで、一時的に埼玉県民になったわけです。
 抜けるような青い空と一面緑のネギ畑に囲まれて、牧歌的ながら「本当は東京へ行くはずだったのになぁ…」と思いながら、いわれもなく悶々としていました。
 しかし、実際住んでみると、所沢はいいところでした。個人的な感想ですが、青い空と緑のネギ畑以外何もなくて、周囲の環境もよく、日々の生活に何の不自由もなくのんびりとした雰囲気がとても心地よかったのです。
 その一方で、周囲の住民を見ると“もう一段階レベルアップしたい”、“やっぱり東京で暮らしてみたい”と感じていらっしゃるのではないかなぁと、あくまで個人的な感想ですが思ったわけです。
 そんなとき、これをネタに鬱屈した埼玉県民の心情を漫画にしたら面白いことになりやしないか、そう考えて描き始めたのが、この作品だったわけです。

 ――大ヒットをきっかけに、なんと2019年に実写映画化されることが決定しましたね。

 魔夜 埼玉県民の心の声をある意味、痛烈に描いたのが、この『翔んで埼玉』です。面白いとか、面白くないとかではなく、日々の鬱憤が爆発した、心の声とでも言いましょうか。
 今、改めて見るとかなりとんでもない作品ですが、当時は自分の素直な気持ちをそのままぶつけたのだと思います。それが今になって、なぜヒットしたのか? 全くもって私自身が一番驚いているような状況なのです。しかも、さらには実写映画化までされるということで、ありがたいやら、恐ろしいやら…。「本当にいいんですか?」と、最後に言わせていただきます(笑)。

 ――本作はPART3までの未完となっています。読者からは「続きが読みたい!」という要望があるようですが、今後、続編を発表する予定はありますか?

 魔夜 本作が未完のままなのは、単純に私が所沢から横浜に引っ越したため、埼玉県民ではなくなってしまったからです。そのため、自虐ネタというエクスキューズが利かなくなってしまったんです。神奈川県民が埼玉県民をおちょくったら、ちょっと洒落になりませんからね。
(聞き手/程原ケン)

魔夜峰央(まや・みねお)
1953年生まれ、新潟県出身。横浜在住。'73年『デラックスマーガレット』でデビュー。'78年、『花とゆめ』で『パタリロ!』の連載を開始、大ヒット作となる。

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