菜乃花 2018年10月04日号

話題の1冊 著者インタビュー マリオ・ルチアーノ 『ゴッドファーザーの血』 双葉社 1,500円(本体価格)

掲載日時 2018年05月27日 18時00分 [エンタメ] / 掲載号 2018年5月31日号

 ――マリオさんは映画『ゴッドファーザー』のモデルとされる伝説のマフィア、ラッキー・ルチアーノの末裔でありながら、日本でヤクザにもなりました。これまでを振り返ってみて、マフィアとヤクザの違いを感じましたか?

 マリオ どちらも親分が絶対で組織を「ファミリー」と考える強固な組織であることはよく似ています。マフィアとヤクザ、どちらも私にとっては誇りです。ただ、マフィアだと裏切り者には死しかありませんが、ヤクザには“指詰め”のような文化もあります。実際に目の前でやるのを見たこともありますよ。

 ――子どもの頃から運び屋の仕事に手を染め、最初に逮捕されたのは10歳の時だったそうですが、そんなマリオさんがなぜ、日本に来ることになったのでしょうか?

 マリオ ボスだった祖父と叔父さんが死んだこともあって、アメリカを出て世界各地を転々としました。
 フィリピンでは故マルコス大統領のビジネスにもかかわっていたのですが、そこで山口組の大物親分と知り合っていた影響もあって、日本に来ることにしました。

 ――日本では最初に右翼系の大物親分の下で働き、後に山口組傘下の組から盃を受けて「経済ヤクザ」となりましたが、これまで印象に残っている親分はいますか?

 マリオ やはり五代目山口組・渡辺芳則組長ですね。実際に何度かお会いしたこともありますが、迫力や威厳の中にも優しさを感じさせる偉大な方でした。

 ――では、幼い頃より長年かかわった裏社会から離れた理由はなぜなのでしょうか?

 マリオ 私の人生は愛するファミリーのために働くことでした。それは誇りでもあった。
 でも、私の人生は間違っていた。最後は信じていたファミリーに裏切られ、おカネもすべて失ってしまった。今もこうして生きていられるのが不思議なくらいです。

 ――激動の人生をつづった著書が、発売前から緊急重版で1万5000部を突破するなど話題となっています。この先、日本でどんな活動をされる予定でしょうか?

 マリオ 今の私は裏の世界から離れて東京でイタリアン・レストランを経営しています。シチリアの大親分に名付けてもらった店の名前は「ウ・パドリーノ」。向こうの言葉で「ゴッドファーザー」の意味です。
 先日は麻生太郎財務大臣もお店に来られました。今はこの店の切り盛りをしながら、愛する女性と静かに暮らしたい、それだけです。
(聞き手/小松巌)

マリオ・ルチアーノ
1964年イタリアのシチリア島カターニア生まれ。移住したニューヨークでマフィアの運び屋となる。'87年に来日し山口組系の「経済ヤクザ」として活動。現在は盃を返し、東京・茅場町でイタリアン・レストラン「ウ・パドリーノ」を経営。

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