菜乃花 2018年10月04日号

草津白根山噴火 いよいよ迫り来る首都直下型大地震と富士山噴火

掲載日時 2018年02月07日 08時00分 [社会] / 掲載号 2018年2月15日号

 陸上自衛隊員1人が死亡、ほか隊員とスキー客を合わせ11人のけが人を出す惨事となった、草津白根山(群馬県)の噴火。発生は1月23日午前10時頃だったが、日本時間で同日午後3時34分頃にインドネシアのジャワ島でM6.0、午後6時頃に米アラスカ沖の太平洋でM7.9の巨大地震が立て続けに起きていた。加えて前日には、フィリピンのルソン島南部にあるマヨン山が大噴火を起こしている。
 かけ離れた場所で発生したかに見える、これらの地下変動。しかし、実はこれらが日本列島に巨大噴火や地震をもたらす前兆現象との見方があるのだ。

 「今、環太平洋造山帯、その中でも日本列島の地下が活性化しているのです。そのため、いつ大きな地震が来ても不思議ではない。私は、とりわけ伊豆・小笠原あたりの、巨大地震が起きていない空白地域が危ないと見ていますが、近い将来、富士山の噴火も考えなければならないと思っています」
 とは、これまで多くの巨大地震や火山噴火の発生を予測、的中させてきた、琉球大理学部名誉教授の木村政昭氏だ。

 環太平洋造山帯とは、太平洋の周囲をぐるりと取り巻く火山帯。日本列島もこの火山帯にかかっており、地震や火山噴火の連動性が指摘されている。
 一昨年の4月14日から発生した熊本地震では、震度7を記録した16日に南米のエクアドルでM7.8の巨大地震が発生し、死者660人を超える被害が出た。さらに翌日には、チリのビジャリカ山、メキシコのコリマ山、そして米アラスカのクリーブランド山が一斉に噴火しており、これらはいずれも環太平洋造山帯の真上に位置しているのだ。
 「太平洋には東太平洋海膨という、南極海から太平洋にかけて延びる海嶺(中央海嶺=地下深くのマントルが上がってくる海底山脈)が走り、太平洋のプレートを二つに割いているのです」(同)

 これにより左右に分かれたプレートの一方で大きな地殻変動が起きると、キャッチボールをするかのように、もう一方でも巨大地震などが発生する傾向があるという。
 「今世紀に入り環太平洋で発生したM8以上の巨大地震を見ていくと、2000年に太平洋の西側(スマトラ島、ニューアイルランド島)で立て続けにM8.0が発生し、'01年に東側のペルーでM8.4、その後は西側に戻って'04年にスマトラ島沖でM9.1が起きる最中、日本では'03年に十勝沖でM8.0、'07年に千島列島沖でM8.1の大地震が発生している。西側はさらに続いて、'09年から'10年にかけサモア沖やスマトラ島沖でM8.0超が相次ぎ、その翌年、ついに東日本大震災が発生してしまったのです。その後は東側に移って、'14年、'15年にチリでM8.2、8.3、昨年にはメキシコ南部沖でM8.1が起きている状況です」(同)

 こうなると、次のM8級の巨大地震や大噴火が、いつ日本列島がある太平洋の西側に移るか分からない事態にあることが理解できる。それは太平洋に面した関東地方、首都圏、はたまた富士山で起きるのか。
 地震学が専門の武蔵野学院大特任教授・島村英紀氏は、こう言う。
 「白根山の噴火の規模は、'14年の御嶽山噴火の10分の1程度です。火山灰の噴出量などが、御嶽山よりもはるかに少ない。しかし、規模が小さくても、噴火すれば今回のように人的被害が出る恐れがある。御嶽山の噴火のようにすぐには終わらず、しばらく続くことも予想され、予断は許されない状況です。富士山においても、機械観測もしているし、常時、異変がないか見てはいますが、安全とは誰も言えない。前回の噴火は1707年の宝永噴火で、300年以上沈黙を守っているようなことは、それまでにはなかったこと。いつ噴火しても不思議ではないと思います」

 一方の首都直下型地震についても、例えば、内閣官房参与で京都大大学院工学研究科教授の藤井聡氏が、論壇誌で《'20年までに起こるのは十中八九間違いない》と発言するなど、危険が高まっていると指摘する専門家は多い。
 日本ではこの1年、幸いにしてM7.0以上の大きな地震は発生していない。しかし、その静けさが返って不気味とも言える。
 「前回、M7.0以上を記録したのは、'16年11月22日の福島県沖を震源としたM7.4。太平洋プレートは、北から南まで満遍なく日本列島を押してきます。その圧力がかかった結果、弱い部分が割れて地震が発生する。ひずみが溜まり、そろそろ割れると見ていたら、案の定、福島県沖でその現象が出たのです」(木村氏)

 しかし、これは前兆にすぎず、まだ“本命”は残っているという。
 「首都直下型が起きれば、最大で2万3000人が死亡すると言われている。また富士山が噴火した際は、火山灰が約2時間で東京に到達し、大停電が起きて交通網もマヒすることが予想される。その富士山噴火の前には、ほぼ例外なく国内で巨大地震が起きているのです」(サイエンス記者)

 白根山の噴火が、そうした悪夢の連鎖につながらないことを祈るばかりだ。

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