菜乃花 2018年10月04日号

話題の1冊 著者インタビュー 宇多丸 『ライムスター宇多丸の映画カウンセリング』 新潮社 1,500円(本体価格)

掲載日時 2017年01月16日 16時00分 [エンタメ] / 掲載号 2017年1月19日号

 ――今や映画評論といえば宇多丸さんですが、映画好きはいつからですか? また、これまでにどのくらいの本数の映画を見ているのですか?

 宇多丸 はっきり「自分は映画が好きなんだ」と自覚したのは、ご多分に漏れず1978年にリアルタイムで『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』を劇場で見てからなので、9歳からということになりますね。今まで見た映画の本数というのはちょっと見当が付かないのですが…、新作に限ってならば、現在はだいたい年間で延べ200本強といったところでしょうか。評論を書くために2度、3度見ることも多いので、作品数でカウントするならば120本くらいになりますね。

 ――昨年はアニメ、邦画を含め映画の当たり年だったと思います。印象的な作品はなんでしたか? また、今年公開される映画で期待しているものは?

 宇多丸 昨年はやはり、のんが声優をしたアニメ『この世界の片隅に』と、無差別殺人事件を起こした加害者青年とその家族、加害者と獄中結婚した女性が繰り広げる壮絶な人間ドラマ『葛城事件』のインパクトが忘れ難いです。今年はなんと言っても5月に公開予定の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の続編! が最高に楽しみです。すでに非難轟々のあの日本版タイトルは僕もさすがにひどいと思いますが(『vol.2』なのになぜか『リミックス』に…。意味的にまったくおかしいよ!)。新年早々公開組で言うと、僕は一足先に拝見させていただいたのですが、スリラー映画『グリーン・ルーム』がむちゃくちゃおっかなくて面白いので、オススメです!

 ――本書は人生相談からオススメ映画を紹介するという形が斬新ですね。仕事に追われて、ちょっと疲れているサラリーマン読者が元気になれる映画を教えてください。

 宇多丸 現実には絶対にこうなっちゃダメ! って例ですけど、マイケル・ダグラス主演、ジョエル・シュマッカー監督の『フォーリング・ダウン』('93年)などいかがでしょうか。これまでただただ、真面目に生き続けてきた中年男が、真夏の炎天下のある日、ハイウェイ上で渋滞に巻き込まれたことが引き金となって、これまで溜めに溜め込んだフラストレーションをついに爆発させ、最終的には街中を震撼させる大暴走を始めてしまうという、一部に熱狂的な支持者を持つ一作です。読者の皆様の留飲も一気に下げてくれること必至なのではないかと思いますよ。でも、くれぐれもマネしちゃダメですよ!
(聞き手/程原ケン)

宇多丸(うたまる)
ラッパー、ラジオ・パーソナリティー。1969年東京都生まれ。'89年の大学在学中にヒップホップ・グループ『ライムスター』を結成。TBSラジオ『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』の映画評論コーナーで人気を博す。

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