葉加瀬マイ 2018年11月29日号

熱き侍たちが躍動!! メジャーリーグ Times 引く手あまたになりそうな牧田和久のメジャー挑戦

掲載日時 2017年10月06日 18時00分 [スポーツ] / 掲載号 2017年10月12日号

 今オフ、西武・牧田和久のメジャー移籍が実現する可能性が高まっている。
 牧田は以前からメジャー志向が強く、2014年オフに「将来、メジャーに挑戦したい」と明言。昨年の契約更改でも西武球団が2年契約を提示したのに対し、自ら1年契約を申し出た。
 ノンプロの日本通運からプロ入りしたため、プロ入りしたのは26歳のとき。海外FA権取得は'19年になるが、球団がポスティングによるメジャー移籍を容認すると見られるため、大きな障害は見当たらない。

■注目される理由

 11月に33歳になる牧田がメジャー球団から注目される理由は次の5点だ。

(1)メジャーにいないアンダースロー
 最大の理由は、メジャーではお目にかかれないサブマリンであることだ。メジャーにはサイドハンドの投手は10人以上いるが、地面すれすれからボールを投げ込んでくるアンダーハンドの投手は、現在、皆無である。そのため、少なくても、メジャーの打者が球筋に目が慣れてくるまでの2、3カ月は、ハイレベルな活躍を期待できる。

(2)外人打者に抜群の実績
 牧田は投球が浮き上がる軌道になるだけでなく、タイミングを外す技術も高い。しかも、速球のスピードは130キロくらいしかないが、軌道を何通りにも動かして芯を外すため、外国人打者は打ちあぐねることが多い。NPBの外人打者に強いだけでなく、WBCでは2大会連続でクローザーを務め、見事な働きをしている。

(3)どんな目的にも使える使い勝手のよさ
 牧田はどんな使い方をしても、それなりの結果を残せる稀有な投手だ。一番フィットするのはセットアッパーだが、先発、ロングリリーフ、クローザー、ピンチの火消し役(対右打者)、中盤のリリーフと、どんな用途にも使える。この使い勝手のよさに、魅力を感じるメジャー球団は1つや2つではないだろう。

(4)右打者に絶対的な強さ
 牧田は右打者に強い。今季も左打者には2割8分4厘(打点13)と、けっこう打たれているが、右打者には2割1分4厘(打点3)と抜群の被打率をマークしている。これは、右打者に対してはスライダーが威力を発揮するためだ。メジャーのストライクゾーンは外側に広い。このため、スライダーは強力な武器になることが予想される。

(5)無駄な走者を出さない
 牧田は今季(9月21日時点)、61イニング投げて与四球がわずか4つしかない。メジャーではリリーフ投手の実力を示す指標としてWHIP(1イニング当たりの被安打+与四球)が重視されるが、牧田はこの数字がトップレベルの0.98(メジャーのリリーフ投手の平均は1.32)で、来季、アンダーハンドに不慣れなメジャーの打者相手に投げることを考えれば、さらにいい数字が出る可能性がある。

■懸念材料

(1)一発リスクが高い
 最大の懸念材料は一発を食らうリスクが高いことだ。牧田はリリーフ専任になった今季、61イニングで被本塁打が4つある。速球系を高めに、変化球を低めに投げ分けて打者を幻惑するピッチングが持ち味なので、一発をある程度食らうことは致し方ないところだ。しかし、打者のパワーが桁違いのメジャーリーグでは、被弾数が10本くらいまで増える可能性がある。

(2)奪三振率が低い
 狙って三振をとれる球種がないので、クローザーには不向きだ。メジャーの打者が牧田の投球に目が慣れてきた場合、ファウルで粘られて、苦しいピッチングになるケースが多くなるかもしれない。

(3)左打者を封じる強力な武器がない
 左打者を封じる武器がないため、左打者との対戦が多くなるシチュエーションでは使いにくい。

★候補球団と予想される契約規模

 WBCでは2大会連続でクローザーを務めた牧田。しかし、メジャーのクローザーに必要なピンチを三振で切り抜ける能力には欠けるため、右打者との対戦が多くなるシチュエーションで使うセットアッパーとして獲得に乗り出す球団が、数球団あると思われる。
 有力候補はブルペンが崩壊状態のジャイアンツ、レンジャーズ、メッツ。セットアッパーに人材を欠くパドレス、マーリンズ、カージナルス、核になるリリーフ投手が流出する可能性が高いカブスあたりだ。筆者はWBC東京ラウンドの際、某メジャー球団の海外スカウト部長と話す機会があったが、「牧田は最も関心がある投手」と明言していた。
 また、メジャー球団の中には、あの手この手で牧田にアプローチしているところもあり、ポスティングに5、6球団が参入する可能性もある。
 昨年、カージナルスに入団した元阪神の呉昇桓(オ・スンファン)がクローザーとしていい働きをしているため、NPBのリリーフ投手は、また評価が高まっている。金銭面はポスティングに200〜400万ドル、牧田本人との契約規模は2年400〜600万ドルになるだろう。マイナー契約になる可能性はゼロ。1年100万ドル程度の契約に終わる可能性も低い。

スポーツジャーナリスト・友成那智(ともなり・なち)
今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流。アメリカ野球に造詣が深く、現在は大リーグ関連の記事を各媒体に寄稿。日本人大リーガーにも愛読者が多い「メジャーリーグ選手名鑑2017」(廣済堂出版)が発売中。

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