菜乃花 2018年10月04日号

話題の1冊 著者インタビュー 齊藤成人 『最高の空港の歩き方』 ポプラ新書 820円(本体価格)

掲載日時 2017年09月09日 17時00分 [エンタメ] / 掲載号 2017年9月14日号

 ――国内の空港がエンターテインメント化してきたそうですが、どのように変わってきたのでしょうか?

 齊藤 今、空港がドンドン楽しくなってきています。鉄道のターミナル駅のように店舗が増え、グルメも充実し、遊ぶところもある。人が集まる場所としての価値が再認識されたということでしょうね。こうした動きが日本で始まったのは、2005年に開港した中部が最初です。
 それまで空港は飛行機に乗るための場所にすぎず、お土産物屋があるくらいでしたが、中部はヨーロッパ風の建物を模したショッピングゾーンを空港内に作りました。ほかにも特に話題になったのは、飛行機を眺めながらゆっくり入浴できる銭湯です。当時は航空旅客が伸び悩んでいましたから、もっと空港を楽しく使ってもらおうと工夫したんでしょうね。ちょうどJRが『駅ナカビジネス』を本格的に全国で展開し始めたのもこの頃です。
 その後、中部に続いて新千歳や羽田などが拡張工事の度に空港内の施設を充実させるなど、全国の空港でエンタメ化が進んでいきました。今では足湯、映画館、ミュージアム、ネイルサロンなどは当たり前ですし、羽田には2分の1の日本橋のレプリカまであるんですよ。

 ――空港民営化が進んでいるといいます。どのような背景があるのでしょうか?

 齊藤 空港でもっともうけたい、という運営側の理由があるのです。日本の地方空港はほとんどが赤字です。運営している国からすれば非常にマズイ。一方、海外の空港は『空港オペレーター』といわれる専門の会社が運営し黒字経営です。空港に人を集め、買い物などでお金を落としてもらい、その利益で滑走路の着陸料を値下げして、新たに航空路線を開設しています。
 だったら、日本でも専門の空港オペレーターに経営を任せてみよう、というのが空港民営化の背景です。利用者からすれば着陸料や航空運賃が安くなるのはありがたい!

 ――おいしい食事が食べられるお勧めの空港を教えてください。

 齊藤 空港に行くと楽しいので、ついついたくさんお金を使ってしまいますよね(笑)。特にお勧めのグルメは、宮崎の『ガンジスカレー』や、丘珠の『丘珠カレー』です。また、岩国の売店で売っている『牡蠣の燻製』は酒のつまみに最高! さらに熊本は団子やからし蓮根など、なんでも試食させてくれるので、懐にも優しい空港と言えるでしょうね(笑)。読者の皆さんも、空港を訪れた際は、いろいろと楽しんでみてください。
(聞き手/程原ケン)

齊藤成人(さいとう・なるひと)
1973年生まれ。北海道出身。金融マンとして空港プロジェクトや航空会社を長く担当。空港ファン歴20年以上、訪れた空港は200カ所以上。尼崎南部再生研究室研究員。

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