菜乃花 2018年10月04日号

話題の1冊 著者インタビュー みうらじゅん 『「ない仕事」の作り方』 文藝春秋 1,250円(本体価格)

掲載日時 2016年01月17日 18時00分 [エンタメ] / 掲載号 2016年1月21日号

 −−本書では「ない仕事」は自ら作るとあります。名称もジャンルもない物を見つけるには、普段からどのようにアンテナを張っているのでしょうか?

 みうら アンテナを張っている意識はないですね。もし張っているのだとしたら、今、流行っていることとか、世の中を騒がせているようなことが引っ掛かってくる周波数とは、別のアンテナであることは確かです。すでに流行っていることは、自分が扱う必要がないですからね。わざと一般とは異なる周波数にして、その変な周波数で傍受できるものを「仕事」にしていこうと思ってやっているわけです。

 −−「ゆるキャラ」や「マイブーム」は大流行しました。逆に失敗して広まらなかった物はありますか?

 みうら 「ゆるキャラ」と「マイブーム」以外のすべてです(笑)。でも、そもそもその二つも、ブームを起こそうと思ってやったことではなくて、何かの誤解が生じてブームになっただけですから。最初から、お金ありきやブームありきで物を考えていないところが「一人電通」(企画、営業、接待もすべて自分でやるという自身の仕事術を例えた著者の造語)で、本当の電通との大きな違いです(笑)。「ゆるキャラ」や「マイブーム」は、流行することを狙っていなかったところが、受け入れられた理由じゃないですかね。

 −−ネタ、ネーミング、売り込みなどすべて自分でやってしまう行動力は、サラリーマンにも大いに参考になると思います。成功する仕事術の秘訣を教えてください。

 みうら 飲み会などの「接待」は、大きな武器になると思います。今はお酒を飲む人も減ったし、飲みに行っても1軒目で帰る人も多いですが、「何軒も付き合えよ」と思いますね。「お酒が苦手」「飲み会が苦手」というのは“自分のこと”ですし、実はありのままのナチュラルなことですよね。やっぱり、不自然に行動しないと。不自然に行動すること=「努力」ですから。僕は酒を飲むと言いすぎるきらいがあるので、酒の席で結構失敗もしてきましたが(笑)、例えばイベントのあとの打ち上げも、次の企画会議をやっていると思って参加しています。次の仕事につなげることを常に考えているんです。飲み会を例に挙げてお話しましたが、重要なのは、会社の中でみんなが「したくない」と思っていることを、率先してやることだと思います。「したくない」ことを率先してやって、それを好きになれば、仕事は楽しくなるし、成功につながると思うんですけどね。
(聞き手:程原ケン)

みうらじゅん
1958年京都市生まれ。武蔵野美術大学在学中に漫画家デビュー。以来、漫画家、イラストレーター、エッセイスト、ミュージシャンなど、幅広い分野で活躍中。

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