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やくみつるの「シネマ小言主義」 ケヴィン様がダークなヒーローを熱演! 『クリミナル 2人の記憶を持つ男』

掲載日時 2017年03月13日 14時00分 [エンタメ] / 掲載号 2017年3月16日号

やくみつるの「シネマ小言主義」 ケヴィン様がダークなヒーローを熱演! 『クリミナル 2人の記憶を持つ男』

 先のアメリカ大統領選挙でも、「ロシアの情報機関が民主党関係者の電子メールをハッキングして暴露し、トランプ有利に導くよう選挙に介入した」と、まことしやかに報道されていました。どうやら、こうしたサイバー攻撃だのハッキングだのは、すでに日常的に行われているようです。
 ここ15〜20年間のアメリカのアクションスパイ映画でも、まるで「ハッキングもの」というジャンルが確立されているかのように、見るたびにハッキングが危機の発端になっている気がします。

 この映画でも、「米軍の核ミサイルを遠隔操作できるプログラムを開発した謎のハッカーを突き止めて、サイバーテロを防ぐ!」を目的に、禁断の脳移植手術が行われます。
 この脳を手術して、人格や記憶ごと他人の体に“ヤドカリ”するというのも最近の映画でよく見るパターンであります。

 「ハッキング」「サイバーテロ」「脳移植」「カーチェイス」「爆破」「かわいそうな母娘」みたいなウケポイントをブレンドして、“こんなん出ました”という映画ではあるのですが、見ていてスカッとするといいますか、娯楽大作としてそれなりに見応えがあるのは、ケヴィン・コスナー、ゲイリー・オールドマン、トミー・リー・ジョーンズといった役者陣の力量によるものなのでしょう。尋常じゃないお金が掛かっていそうですし。“おっ、こんないい車を次々と爆破させるか”と思いましたから。
 中でも、還暦を超えたケヴィン・コスナー。体も大きく鍛え直したのか、今まで見たことないほど凶暴性たっぷりに、脳移植されてしまう囚人の主人公を演じています。

 彼には、'97年の『ポストマン』というSF映画の公開で来日したときに、お目に掛かったことがあります。映画自体は、米国で不評を買ったようでしたが、「◯◯のシーンがよかった」と申し上げたら、すごく喜んでいましたね。イイ人でした。

 ところで、去年でしたか、「サルの頭部移植がイタリアで成功、残すは人間のみ」という報道がありました。今年には中国で人間の頭部移植がいよいよ行われるとか。なんでも、首を切断して脳死状態の体にすげ替えた後、プラモデルのように接着剤で神経を1本1本つなぎ合わせるらしいです。
 神の領域への冒涜のように聞こえますが、近未来には、究極のアンチエイジング法として脳をイジるのは当たり前になっているかも。
 もうすでに、どっかの国の金持ちが、そのときのために脳を冷凍保存しているかもしれませんねぇ。

画像提供元:(C)2015 CRIMINAL PRODUCTIONS, INC. All Rights Reserved.

■『クリミナル 2人の記憶を持つ男』監督/アリエル・ヴロメン 出演/ケヴィン・コスナー、ゲイリー・オールドマン、トミー・リー・ジョーンズ、ガル・ガドット、ライアン・レイノルズ他 配給/(株)KADOKAWA 新宿バルト9ほか全国公開中。
 米軍の核ミサイルを遠隔操作することができるプログラムを開発した謎のハッカー、ダッチマン。その居場所をただ1人知るCIAのエージェントのビリーが任務中に死亡した。世界の危機を救う最後の手段として、ビリーの記憶を、死刑囚ジェリコ・スチュワートの脳に移植されることになる。ジェリコは、二つの人格に引き裂かれながら、48時間以内にテロを防ぐため、孤独かつ壮絶な闘いに巻き込まれていく。

やくみつる:漫画家。新聞・雑誌に数多くの連載を持つ他、TV等のコメンテーターとしてもマルチに活躍。『情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)、『みんなのニュース』(フジテレビ系)レギュラー出演中。

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