RaMu 2018年12月27日号

〈目からウロコの健康術〉 睡眠不足は万病の元!? 快眠と朝のスッキリ目覚め法

掲載日時 2018年10月29日 19時00分 [健康] / 掲載号 2018年11月1日号

“寝る子は育つ”との言い伝えがあるが、人は一生のうちの3分の1は眠っているといわれる。だが、現代人は果たしてどうだろうか? 最近、「よく眠った」「気分も最高」という会話はあまり聞かなくなった。

 睡眠時間には個人差がある。何時間寝ればいいのか1人1人違う。生活のリズムの違いもあるし、年齢差もあるが、一つ言えることは加齢とともに睡眠時間は短くなるということだ。

 実際に眠っている時間を脳波で測ると、平均で8時間以上あるのは中学生ぐらいまでで、70代では6時間を切る。老化現象の一つだが、避けがたい面がある。

 それについて、専門家はこう説明する。
「若い人と比べ、生活習慣も関係し、運動しなくなり、頭も使わなくなると睡眠は短くなる。多くの70代は午後9時頃寝床に入りますが、睡眠時間が平均6時間なので、夜明け前に目が覚めてしまう。若い頃の長い睡眠時間を求めるのは、ない物ねだり。ですから、眠くないのに寝床に入るのはやめ、6時間の睡眠を夜のどこにあてるか工夫して欲しい」

 現代で、週末に寝だめをしなければならない人がいるのは、仕方がない面もある。しかし、休日の睡眠時間が平日より3時間以上長い場合は、かなり体に負担がかかり「黄信号」だといえる。

 社会医学研究センター・理事の村上剛氏はこう語る。
「患者さんから『短い睡眠時間で何とかやりくりできないか』という悲鳴のような訴えが寄せられますが、専門家の立場から『それは無理』と言わざるを得ません。少しずつ削ってもある時に限界が来るし、睡眠不足が長時間続くと心身の病気のリスクが高まる。夢物語のような方法はありません。平日睡眠不足の人や昼間に眠気がとれない人は、昼寝を活用するといい。なるべく早い時間帯に、目覚まし時計をかけ20〜30分間寝ると眠気が取れます。午前中でも構わない。遅い時間や30分以上だと、逆にぼんやり感が強くなり、夜の睡眠にも影響します」

 村上氏によると、夜中に目覚めるなどの不眠症状を訴える人は日本人の3割、日中の体調不良を伴う「不眠症」は1割もいるという。多くは短期間で治るが、強いストレスがある場合などは、慢性的に続く人もいるそうだ。

 不眠が続くと、寝床に入っても「また眠れないのでは…」と緊張し、ますます眠れなくなる悪循環に陥ってしまう。抜け出すには、寝室が恐怖の場所でなくなるよう、快眠法や睡眠薬など、どんな手を使ってでも寝る体験をすることが大切だという。

「睡眠薬は一度飲んだら止められないのでは」と、心配する人も多いが、そのリスクは少ない。日本睡眠学会のサイト(http://jssr.jp/)では睡眠薬に対する様々な質問に答えている。

 関心のある人は読んで参考にしたい。

 安眠インストラクターで睡眠プランナーの大橋順子さんは「すっきり目覚めるためには、ぐっすりと眠ればよい」とする快眠とスッキリ朝起きるための工夫などについて考えることが大切だとして、こう語る。
「快眠につながる準備や環境の工夫を考えると、いくつものアイデアが浮かびます。例えば、夜の照明は暗めにします。照度を落とし、オレンジ色の光に変えるとくつろげます。また午前中、しっかりと太陽光を浴びると、夜に睡眠ホルモンがたくさん出て、眠りに入りやすくなります。入浴は寝る1、2時間前にややぬるめ(38〜40度)の湯につかり、額が汗ばむ程度まで温まる。そして、入浴後はアロマや音楽、ストレッチなど自分なりの方法でリラックスしていただきたいですね」

★就寝前の“スマホ”は控える
 さらに大橋さんは、前述したことも大事なことだが、自分の生活周囲をチェックすれば、睡眠を妨げるものがまだ他にもあるといい、「ぜひとも環境の工夫なり、準備をして取り組んでほしい」と語る。

 そして、今や誰もが扱うパソコンやスマートフォン、さらに睡眠スタイルなどについてもアドバイスする。
「特に“スマホ”を手放せない人は多いですが、就寝前は光が妨げになるし、神経を刺激しすぎるために控えるべきです。逆に、朝のメールチェックは脳の活性化につながるのでおすすめです。テレビも同じで、就寝前の2時間ぐらい前にはスイッチを切るようにしたいもの。あと、冷やしたり温めたりして睡眠に繋げる方法もあります。軽く冷やした濡れタオルをポリ袋に入れ後頭部に当てると寝つきの助けになります。また、寝具についてもひと工夫が必要。枕選びは立っている時と同じ自然な姿勢を保つ枕が理想です。首と頭の後ろのすき間を埋める程度の高さがいいですね。本当に合う枕は、枕をしているか分からないほどの一体感があります。敷布団の硬さでも高さが変わるので店員に相談するのがよいと思います」

 一方、睡眠研究を続ける医学博士・内浦尚之氏は「皮膚温度の上がり具合が、眠気の先行指標として一番確実だ」という。さらに内浦氏は、こう説明する。
「赤ちゃんの手がぽかぽかしてきたのは眠くなってきた証拠、というのは科学的に根拠のある話なんです。逆に言えば、効率的に熱を逃がして体温を下げられれば、スムーズに眠りへと入れるはず。では、手足を冷やせばいいのかというと、それは逆効果です。血管が収縮し、熱が逃げにくくなってしまうから。むしろお湯などで手足を温め、血行をよくするのが正解です。吸湿性のよい手袋や靴下を着けて寝るのも悪くない。とはいえ、眠りに向けた体温変化は体内時計で主にコントロールされており、リズムを無視して強引に眠るのは難しいのです」

 睡眠には、深い眠りと浅い眠りがあって、ほぼ90分を1単位として繰り返している。ならば90分の倍数だけ寝たら目覚められるのか?
「理屈はそうですが、報われない事が多いでしょう」と内浦氏。誰でも必ず90分というわけではないので、きっちり90分の倍数を取っても誤差は避けがたいからだという。

 脳を休める深い眠りは、寝入ってからの3時間にまとめてやってくる。それ以後は覚醒に向けた浅い眠りが増える。浅い眠りが終わったところで、上手く目が覚められれば快適に起きられるはず。一晩で3回から5回、このタイミングがやってくるといわれる。

 ここまで紹介してきた「快眠と朝のスッキリ目覚め法」、どれを選択するか熟慮して取り組みたい。

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