中島史恵 2019年6月6日号

〈男と女の性犯罪実録調書〉③極限状態のエクスタシー

掲載日時 2019年03月07日 00時00分 [官能] / 掲載号 2019年3月14日号

 川西は大杉と別れ、レイナと2人で店に戻ってから呆然としていた。
「警察にウソがバレたらどうするの?」
「酔ってたから、覚えていないと言えばいいんだ」
「だけど、あんなに防犯カメラが付けられていて…」
「大丈夫、そこまで調べられへんよ。明日になったら元気になってるかもしれないし…」

 言葉とは裏腹に、不安で仕方なかった川西は、「今日は帰りたくないから、一緒にいてほしい」とレイナに頼んだ。2人はラブホテルに投宿した。

 川西が風呂に入り、なかなか戻ってこないので、レイナも全裸になってバスルームに行ったところ、自然とそういう雰囲気になった2人は何カ月も会っていなかった恋人同士のように、互いの唇をむさぼった。

 ベッドルームに移り、先ほどの忌まわしい記憶を振り払おうとするように、2人はセックスに没頭した。
「あああ…、いいわぁー、そう、そこよ、もっと突いてぇ…、アッ、イクぅ!」

 極限状態でするセックスは、猛烈な勢いでエクスタシーに向かっていった。川西も果てそうだった。下半身全体が痺れていた。痺れはさらに背筋を駆け昇り、大脳まで疼かせた。
「ううッ、イクぞっ!」
「いいわ、出してぇ〜!」

 川西がザーメンを一気に放出すると、レイナも引きつったような喘ぎ声を上げて全身を痙攣させた。余韻が抜けると、川西は死んだように眠ってしまったが、レイナはいつまでたっても眠ることができなかった。

 翌日、近藤の死亡が伝えられた。3人はあらためて警察の事情聴取を受けた。川西は「近藤が自分で飛び込んだ」と言ってごまかそうとしたが、警察はすでに防犯カメラから“犯行”の一部始終を把握していた。

 川西は殺人容疑で逮捕され、大杉とレイナも重過失致死と犯人隠避の疑いで逮捕された。大杉とレイナは青ざめて、「こんなことで巻き込まれたくない」と真実を話した。その結果、川西は傷害致死罪で起訴され、2人は不起訴処分になった。
「悪ふざけでは済まされない、大変なことをしてしまった。言葉では言い表すことができません。いくら謝っても許されることではないと思います。今後、罪と向き合って償っていきたい。お酒は二度と飲みません」

 川西は「危険な行為と分かっていながら犯行に及んでおり、責任は重大。救助しなかったことはあまりにも無責任」と断罪され、懲役8年を言い渡された。

 事件の一部始終を知られ、川西は妻にも離婚された。今の繁華街にはどこにでも防犯カメラが取り付けられているので、言い逃れしようとしてもムダである。
(文中の登場人物はすべて仮名です)

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