蝶野正洋の黒の履歴書 ★スポーツの新しい応援様式

エンタメ・2020/08/08 18:00 / 掲載号 2020年8月20・27日合併号
蝶野正洋の黒の履歴書 ★スポーツの新しい応援様式

蝶野正洋

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 新型コロナウイルスの感染者数が増え続けているなか、プロスポーツの有観客試合が始まっている。現在はプロ野球もJリーグも観客数を上限5000人に絞って開催。プロレスは、後楽園ホールだと3分の1から半分くらいまでに制限している。

 さらに応援方法にも制限をかけている。野球では応援歌合唱やトランペットなどの鳴り物の使用、ジェット風船を飛ばすことなどを禁止している。プロレスでは、垂れ幕の持ち込みや紙テープの投げ入れなど、従来の応援スタイルは禁止。いずれも観客はマスク着用で、声を出さずに観戦するというのがルールになっている。

 声が出せない代わりに拍手をしたり、みんなで手拍子を合わせたりして応援する形になっているみたいだけど、まだお客さんにも戸惑いというか「新しい応援様式」が確立できていないように感じるね。

 もちろん観客はルールに従って基本的には静かに観戦してるようだけど、スポーツを見てたら思わず声が出ちゃうもんだよ。9回裏でサヨナラホームランなんか出たときでも声を出しちゃいけないとなると、グッと飲み込むことになって逆にストレスが溜まるよな。

 コロナウイルスに対して万全の注意を払いながら会場まで出向いても、声のひとつも出せずに静かに観戦するしかない状況だったら、「家でテレビで見てるほうがいいな」ってことになる人も多いと思う。

 そうなると、いままで会場に行って応援するのが好きなライブ派だった人たちが、どんどんインドア派になってしまうという危惧もあるよね。

 政府はイベント関連に対しては徐々に制限を緩和していくと言っていて、現状のステップ3では、屋内の収容人数の50%以内、上限が5000人までとされている。次の段階は収容率50%以内なら人数の上限なしで、屋外は十分な間隔を取ることができれば、こちらも人数制限なしということになる。

 当初は8月1日から、この段階に移行すると言っていたけど、感染状況がよくならないため、8月末まで延期することになった。

 このガイドラインに含まれる「イベント」には、コンサート、展示会、プロスポーツ、お祭りや野外フェスも含まれる。要するに、今年の夏休み期間中に開催されるイベントはどれも制限されたままということになってしまった。

 一方では、GoToキャンペーンをやっていて、イベント関連は制限するというチグハグなことになってるけどな。

 ただ、俺たちが覚悟しなくちゃいけないのは「コロナ以前の状態に戻ることはない」ということ。だからこそ、新しい様式に早く慣れるしかないんだよ。喫煙スペースだって撤去されたら、他の吸える場所を探すしかないし、レジ袋だって有料化になったらエコバッグを持ち歩くしかない。それをいつまでも「吸わせろ」とか「無料に戻せ」って言ってても何も始まらない。

 新しい生活様式は“仮”じゃなくて、これからしばらくは続くものだということを、心の底から理解するしかないんだよ。

 スポーツの観戦方法も、静かに見ることに慣れるか、新しい楽しみ方を見つけないといけないな。

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1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。

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