蝶野正洋の黒の履歴書 東京都知事選挙の争点

エンタメ・2020/07/05 18:00 / 掲載号 2020年7月9日号
蝶野正洋の黒の履歴書 東京都知事選挙の争点

蝶野正洋

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「東京アラート」が解除されて、少しずつ日常が戻ってきた。俺の止まっていた仕事も動き出してきてはいる。ただ、以前のように戻るのは、まだまだ先になりそうだ。特にイベント関係は最低でも3カ月前には動いてないといけないから、最短で開催できるのが夏の終わりになってしまう。

 だから、自粛の解除のやり方にも問題があるかもしれない。同じ業界でも状況が違うから、まとめて一緒に自粛を要請したり、解除するというのがナンセンスなんだよ。プロレスだって会社は同じでも、試合をする選手とフロントの営業とではリスクが違うし、対策も違う。それを業種単位、会社単位で規制しようっていうのは難しいんだよ。

 まだコロナは収束したとはいえないが、小池都知事の自粛要請が急にトーンダウンしたな。これはやっぱり、小池さんが次の東京都知事選(7月5日)を見据えて、点数稼ぎを始めたんだろうね。このまま規制を厳しくしてたら、飲食業の人たちを敵に回すことになるからね。

 都知事選の一番の争点は、コロナ対策になるだろう。やっぱり“東京with新型コロナ”時代の舵取りをしてくれる人じゃないといけない。国に対してクレーマーみたいになるんじゃなくて、ちゃんと計画を立てて行動できる人。だから“政治屋”じゃなく、志のある本物の政治家になってほしい。

 都知事選のもうひとつの争点は「東京オリンピック」の開催だな。現状は来年に延期ってことになってるが、俺は開催するのは難しいと思う。国内イベントだったら3カ月でなんとかなるけど、オリンピックを仕込む準備期間は1年以上かかる。世界はまだまだコロナと戦っていて、ほとんどの地域は国から出られない、入れないという状態。今から気を取り直して準備を再開しても間に合わないよ。開催か中止かを争点にするのはいいけど、その辺りの状況をしっかり認識したうえで議論してもらいたいよね。

 もちろん、防災や減災も重要だよ。それには東京の一極集中を解消しなくてはならない。

 例えば、都心を走る満員電車なんて、密になって危険だとか言われてるけど、そもそも乗車率200%なんてのが異常なんだよ。「定員」というのは、詰め込んで載せられる人数ということじゃなくて、安全を確保できる目安でもある。映画館だって、プロレスの会場だって、安全確保という点から収容人数を計算して、それ以上はお客さんを入れたらいけないってきっちり決まってる。でも、電車はそれがないんだよ。だから防災という面でも、あんな満員電車が毎日走ってるというのがおかしいのであって、コロナ以前でも真っ先に改善しなきゃいけない問題なんだよ。

 今回のコロナ禍で、首都圏と呼ばれる、東京、神奈川、千葉、埼玉あたりの知事たちは意思疎通ができてないし、思惑がバラバラなことがよく分かった。だからこそ、新しい都知事にはこの首都圏をまとめるような構想を持ってほしい。

 関東で連合して…という言い方をすると違うイメージになっちゃうけど(笑)、悪い連中だってまとまれるんだから。行政でもそのぐらいのスケール感を持った人に都知事になってもらって、経済にも、災害にも立ち向かってもらいたいね。

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蝶野正洋
1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。

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