菜乃花 2018年10月04日号

茨城女性遺体遺棄事件 高2少年が「通り魔殺害」に及んだ3つの謎

掲載日時 2016年07月20日 16時00分 [事件] / 掲載号 2016年7月28日号

 「7月6日の逮捕後、少年は取り調べに素直に応じ、夜には出された食事をすべて食べ、風呂に入って床に就きました。翌日朝からも淡々と応じ落ち着いていたが、動機については口を閉ざしている。見ず知らずの女性を、いきなりああいうやり方で殺すものか…」(捜査関係者)

 7月5日、茨城県龍ケ崎市を流れる西谷田川で女性の遺体が発見された事件で、翌日、少年が両親に付き添われ茨城県警つくば中央署に出頭し死体遺棄容疑で逮捕となった。
 少年は、つくば市に住む県立高校の2年生(16)。県警の調べで、発見された女性は同県牛久市に住む進士康子さん(42・無職)と判明している。司法解剖の結果、死因は出血性ショック死で、上半身の背中を中心に数十カ所の刺し傷があり、中には肺に達するものまであったという。
 「進士さんの遺体が散歩中の男性によって発見されたのは、5日午後4時頃。近くには草で隠されるように自転車が放置され、防犯登録から進士さんの父親名義のものと判明。問い合わせたところ娘さんの行方が分からなくなっていたことから、身元が判明したのです」(同)

 少年は遺体発見のニュースが報道された後に現場付近へ出向き、警察車両や野次馬を見て「もう逃げられないと思い両親に話して同行してもらった」と話しているという。
 「進士さんの傷の形状から、当初使用された凶器はアイスピックではないかと見られていた。しかし少年の供述によってフィッシュピックであることが判明し捜索したところ、現場付近から発見されたのです」(同)
 フィッシュピックは、握り手の先に先端が尖った10センチあまりの棒が付いた魚釣り用の道具で、釣り上げた魚の鮮度を保つため活け締めする際などに用いられる。少年は「6月30日の夜に自転車で(現場へ)行き、すぐに背後から襲った。(刺した時は)男か女か分からなかった。(進士さんは)知らない人だった」としている。しかし冒頭の捜査関係者が語るように、フィッシュピックで何度も何度も突き刺し死に追いやるやり口は尋常ではない。果たして少年に何があったのか。

 つくば市で生まれ育った少年は、県内の小、中学校を卒業後、現在は県内の公立高校に通っていた。同校は授業の時間帯が午前、午後、夜間の部に分かれるフレックス制の定時制高校。少年について同校の校長は会見で「成績は優秀で周囲とトラブルを起こすことも不登校などもなかった」と語っているが、同校入学前にある変化が起きていた。
 「彼は小学校時代、とにかく頭が良くて、私立の中学校に進学したんです。絵に描いたような優等生タイプでしたよ。でも、2年の時に突然学校に行かなくなって、市立の中学に転校してしまった。その原因が何だったのかは分かりません。転校後もほとんど学校には顔を出さず完全に不登校状態になって、なんとか今の高校に入ったと聞いています」(中学時代の同級生)
 とはいえ、高校では欠席もほとんどなく真面目で通っていたとされ、「趣味はサイクリングと釣りで、休日には(事件現場となった)あの川の辺りを1人でよくうろついていた」(同)という。

 中学時代の闇を抱えたまま高校へ進学し、それが今回、何かのきっかけで爆発したのか。
 「今回のような、発生当初に動機がいまいち分からない少年による殺人事件は、2000年5月、愛知県豊川市の民家に押し入った私立高校3年(当時17歳)が居合わせた主婦を庖丁で刺殺した事件や、'11年11月、千葉県松戸市などで通信制高校2年(当時16歳)が女子中学生と小学校女児を相次いで刃物で襲い怪我をさせた事件などがある。結局、双方の少年は精神的な病を抱えており、保護処分が下されています。少年犯罪は、それまでの生活環境が大きく影響しているため、慎重な調べが必要です」(司法記者)

 一方で疑問が湧くのは、進士さんの動向だ。現場は進士さんの自宅から直線距離で約7キロ離れている。遺体が見つかった西谷田川に並行して走る砂利道は、朝夕こそ学生が自転車で通るが、夜になれば人気もなく街灯もない。
 なぜ夜、女性一人で出向いていたのか。
 近隣住民が言う。
 「進士さんは70代の父親と2人暮らしでした。高校卒業後に看護学校へ入り、その後は県内でも有名な病院で看護師を続けていたのです。美人で熱心な看護師だったようですよ。ところが2年半ほど前に病気を患い、実家に戻ってお父さんと2人暮らしを始めた。以来、ほとんど人と顔を合わせなかったようですが、最近では買い物に行ったり、リハビリがてらサイクリングをしていたようなんです」

 現時点で進士さんと少年の接点はないとされる。となれば通り魔的な犯行と見られるが、この事件前、現場付近では不可解な出来事が起きていた。
 「3月末、少年の家の近所の住宅敷地内に停めてあった乗用車49台のタイヤが、何者かによって穴を開けられパンクする被害が発生していたのです。さらにその3日前にも、住宅街で33台が同様の被害に遭っていた。いずれも先が尖ったものを使った犯行で、捜査関係者の間では関連性も指摘されています」(全国紙社会部記者)

 少年の胸の内は明かされるのか。

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