葉加瀬マイ 2018年11月29日号

阪神・金本監督が清宮、安田、中村のドラ1指名で球団と対立

掲載日時 2017年09月14日 15時00分 [スポーツ] / 掲載号 2017年9月21日号

 清宮、中村、安田の指名から下りる? アニキはささやかな“反逆”に出た。

 9月1日の中日戦、金本知憲監督(49)は新人の大山悠輔(22)を『4番・一塁』でスタメン起用した。トラ史上、新人が4番を務めるのは53年ぶり。翌2日は試合を決める一発を放ち、「新人4番の本塁打」は'92年7月の元広島・町田公二郎以来、25年ぶり。阪神では2リーグ制以降初の快挙だ。期待に応えた大山は凄いが、ポイントは、ロジャースがスタメンから外されたこと。フロントが陣頭指揮を執って途中獲得した“助っ人”だ。
 「大山が金本監督たってのお願いで1位指名された経緯は繰り返すまでもありません。素材としては一級品でも、1位指名しなくてもよかった大山の指名を繰り上げたことで、即戦力投手の補強ができなくなりました。その大山は、春先は変化球に対応できなかったのが、今は全然違う。4番で結果を出したことは、金本監督からすれば、『オレの眼に狂いはなかった』という自己主張そのものです」(球団関係者)
 要するに、昨秋のドラフト会議では即戦力投手の獲得論を推すフロントが折れた。7月のジェイソン・ロジャースの緊急補強では「若手のチャンスが減ってしまう」とこぼしていた金本監督のほうが、持論を引っ込めたというわけだ。

 ロジャースの勢いが止まり、大山がチームを勝利に導いた。この“金本采配”が、若き怪物たちの運命を決める今秋のドラフト会議にも影響してきそうだ。
 「早実・清宮幸太郎、広陵・中村奨成、履正社・安田尚憲、横浜・増田珠…。清宮がプロ入りを正式に表明すれば、中村、安田を合わせた3人とも競合・抽選になるのは必至です。今年は社会人野球に好投手が多いので、あえて清宮たちを見送り、即戦力投手を一本釣りする方法もあります。阪神がピッチャーに切り換えたとの情報も錯綜しています」(同)

 特に、JR東日本の好左腕・田嶋大樹(20)は高い評価を受けている。阪神フロントにすれば、藤浪晋太郎、岩貞祐太が不振に陥っただけに、「堅実に即戦力投手を!」と思うのは当然のこと。
 「'05年以降、リーグ優勝から遠ざかっています。これ以上は、営業的に危険との声も出ている」(在阪記者)

 金本監督は甲子園のライトスタンドからブーイングが起こる危機意識は常に持っているものの、「即戦力投手の獲得」には難色を示している。ロジャース獲得の時は折れた。今度は、フロントと金本監督のどちらが折れるのか…。去る8月25日深夜、宿敵巨人との3連戦初戦を終えた金本監督は、四藤慶一郎球団社長に呼び出されている。
 「高野栄一球団本部長も同席していました。宿舎ホテルでの緊急会合で、名目は拡大編成会議でした」(同)

 フロント側が切り出したのは、ウェーバー公示が確実となった日本ハムのルイス・メンドーサを獲るか否かだった。8月10日の巨人戦で、勝ち頭のメッセンジャーを骨折で欠いている。
 トレード、補強は7月末までだが、在籍球団が支配権を放棄するウェーバー公示なら、話は別。クライマックスシリーズを勝ち上がるため、獲得で合致したが、同日に金本監督はスカウト会議でまとめられた中間報告も聞かされている。

 直近のスカウト会議は14日だった。
 「U-18大会(カナダ)は複数体制でスカウトが現地入りすることが確認されました。進路不透明な清宮は1位候補のまま継続調査。あと、広陵の中村を大絶賛していました」(在阪記者)

 昨年最後の東京遠征で、金本監督はやはり四藤社長らと“会食”している。その席で、田中正義(現ソフトバンク)、佐々木千隼(現ロッテ)の即戦力投手獲得論を聞かされていた。ドラフト前夜、金本監督の希望で大山指名に一変した経緯、ロジャース獲得で意見が衝突したことも考えると、両者は“大人の関係”をギリギリ維持している。
 「去年8月の拡大会議で、金本監督から糸井嘉男獲得をお願いされました。この時期の拡大会議で現場とフロントが会うことは非常に重要な意味を持ちます。今年、国内FA権を取得した日ハムの中田翔がどうなるのかも確認されました」(同)

 中田のFA宣言が現実となれば、ロジャース、大山、原口文仁が一塁の守備位置で重複。ここに清宮が入れば“玉突き事故”は他ポジションにも飛び火する。
 「広陵の中村はメジャースカウトも認めていました。あれだけ打てる捕手はアメリカにもいない、と。高卒捕手はプロで覚えることが多いので時間が掛かります。一昨年は金本監督の就任、昨年は糸井獲得。オフの話題をそのままシーズンに持ち込み営業収支を上げた阪神にすれば、オフの話題作りは必須です」(取材記者)

 スター性を秘めた高校生野手がこれだけ揃う年は滅多にない。12年以上優勝から遠ざかるのは確かに危険だが、金本監督は就任時、生え抜きの長距離砲を育てるとファンに約束した。
 これ以上フロントと衝突してでも、「清宮、安田、中村が欲しい」の意見を押し通せるか。ちなみに、清宮は阪神ファンだ。

関連タグ:阪神タイガース 野球

スポーツ新着記事

» もっと見る

阪神・金本監督が清宮、安田、中村のドラ1指名で球団と対立

Close

WJガールオーディション

▲ PAGE TOP