紗綾 2019年8月1日号

予備軍含め2200万人 放置が命取りになる「糖尿病」の怖さを徹底解明(1)

掲載日時 2014年03月04日 12時00分 [健康] / 掲載号 2014年3月13日号

 糖尿病の人は、予備軍を含めると2200万人といわれている。中には「俺は大丈夫」と根拠なき自信を抱いている人も多いが、治療を放棄しているうちに、少しずつ体がむしばまれていくだけに、油断は大敵。

 糖尿病は、最短3年で神経障害、腎症、網膜症などの合併症を引き起こす。さらに、5〜10年放っておけば、インスリンを作る膵臓(すいぞう)のβ細胞が破壊され、失明や心筋梗塞、脳梗塞などの合併症で命の危機にさらされ、壊疽による足の切断もある。
 また、一度破壊されたβ細胞は元に戻らないため、怖さは計り知れない。検査数値が基準値のオーバーを指摘され、イエローカードが出されたら、すぐに適切な治療を受け、運動や生活改善などの努力が必要となる怖い病気だ。

 川崎市のサラリーマン・小林芳光さん(=仮名・49)は、10年ほど前から空腹時の血糖値が110mg/dl前後をウロウロ。ここ3年は、120近くに上昇していた。空腹時の血糖値は110未満が正常とされているため、数値が悪いといってもそれほど気にすることもなかった。
 小林さんは、設計事務所に勤め、納期前は徹夜仕事が続く。毎年受けていた春の健康診断シーズンは、なぜか納期と重なることが多く、健康診断はもとより、わざわざ精密検査を受ける余裕もなかった。体格は174センチ、68キロと細身。「お腹が出ているわけじゃないし、メタボではないから大丈夫」という安心感も、精密検査をサボる理由になっていた。
 「仕事が追い込み時になると、食べずに仕事を続けている。だが、だんだん齢を取ってくるとそうはいかず、最低でも2食は摂るようにしました。食べるのはコンビニ弁当かカップラーメンでしたね」(小林さん)

 おまけに体を動かすことといえば、通勤で家から駅(15分)、最寄駅から会社までの10分程度の歩行のみ−−。そんな小林さんに突如、異変が現れた。
 寝る前になると脚が痺れるようになり、正座の後のピリピリ感のようなものに襲われる。
 「無数の虫が脚をはっているようで、何とも言いようがない嫌な感じがしたんです」
 と小林さん。それでも最初のうちは我慢して寝ていたが、だんだん眠れなくなり、睡眠外来を受診したところ、その痺れの原因は糖尿病の合併症、「神経障害」と診断された。
 外食に頼り切って運動をほとんどしないサラリーマンにとっては他人事と片付けられない話だが、楽天家の小林さんも内科で精密検査を受け、病気の深刻さに初めて気付かされた。

 小林さんを診察した総合医療クリニックの院長がこう警告する。
 「小林さんの血糖値は、一目瞭然で糖尿病と診断できるくらいに上昇。腎臓の検査数値も悪いし、合併症の腎症も発症していました。診察がもっと遅れれば、さらにひどい病態に至ったでしょうね。他の腰痛や骨折などの手術にも影響が出るほどで、決して甘く考えないでほしい」

 糖尿病を放置したり、治療をしても不十分だったりすると、手足の神経や自律神経などがやられる神経障害、腎機能が低下する腎症や視力低下を余儀なくされる網膜症の順で合併症を引き起こすとされる。
 最初に発症する神経障害の発症までのタイムリミットは、最短で3年といわれ、無治療が長ければ長いほど合併症が進行するわけだ。

関連タグ:糖尿病


健康新着記事

» もっと見る

予備軍含め2200万人 放置が命取りになる「糖尿病」の怖さを徹底解明(1)

Close

WJガールオーディション

▲ PAGE TOP