園都 2018年6月28日号

安倍首相3選に待ったをかける麻生・河野“W太郎”の乱

掲載日時 2018年01月18日 08時00分 [政治] / 掲載号 2018年1月25日号

安倍首相3選に待ったをかける麻生・河野“W太郎”の乱

 歴代最長首相へ向け、今秋の自民党総裁選で3選を目指す安倍首相。“一強”状態に早くも圧勝ムードが漂っていたが、年明け早々から浮上した思わぬ伏兵、河野太郎外相の出現に周囲は慌てふためいているという。
 「安倍首相は昨年から、総裁選の候補者潰しを周到に仕掛けてきた。その最たる例が、昨年夏の内閣改造。そこで最も厄介な存在だった岸田文雄外相(当時)を取り込み、麻生太郎財務相を封じ込めたのです」(全国紙政治部記者)

 岸田氏の背後には、岸田派の名誉会長で政界の寝業師と呼ばれる、古賀誠元幹事長がいる。その古賀氏は当初、“岸田首相”の実現と自らの院政のため、森喜朗元首相、参院自民党に隠然たる力を持つ青木幹雄元参院議員会長、さらに二階俊博幹事長らと通じ、安倍排除に動き出そうとしていたという。
 「そうした中、8月3日の内閣改造前の7月下旬に、東京・赤坂のホテル内の飲食店で安倍・岸田の密会があったとされる。その内容は、岸田さんが安倍さんの3選に協力すれば、その後は岸田さんに禅譲するというもの。さらなる見返りとして、党四役の政調会長ポスト、加えて内閣改造で4人もの岸田派起用の大盤振る舞い。これには岸田さんも二つ返事で納得し、話が成立したとされる。この岸田さんの取り込みで、古賀、青木、二階さんらがこぞって安倍支持に回ったのです」(自民党関係者)

 これで安倍首相は自身の細田派に加え、岸田派、二階派を抑えることができた上に、麻生氏の勢いも削ぐことに成功したのだ。
 「麻生さんは表向き安倍恭順の姿勢を示していますが、本音は3選阻止ですよ。安倍さんは支持率維持のために、10%消費税増税をなかなかしないでしょ。財務省寄りで増税派の麻生さんは、3選前に安倍さんを退けて、ワンポイントリリーフを自ら仕掛けたかったんです」(麻生氏周辺関係者)

 そこで麻生氏は、数の力で攻めを仕掛けた。自派44人に山東昭子派閥11人、谷垣禎一グループの一部を取り込み、60人規模の『志公会』として細田派に次ぐ第二派閥にまで膨張した。
 「その勢いで岸田派44人を取り込もうと蠢いていたのですが、結局は安倍さんと岸田さんの“密約”によって潰された。この事態に麻生さんは怒りを露わにし、次の総裁選に自分か自派の河野さんをぶつけると騒ぎ出し、安倍さんは沈静化のために河野さんを急きょ外相に抜擢したわけです」(前出・自民党関係者)

 これに麻生氏も納得、当時は鉾を収めたかに見えたのだが、ここへ来てその人事がジワジワと安倍首相の首を絞めているという。
 「河野氏は、脱原発、自衛隊のイラク派遣反対などを唱える党内きっての異端児。外務省内でも、田中真紀子氏以来の変わり者として危険視されていました。しかし昨夏、中国の王毅外相とマニラで行った初会談で、日本の歴史認識を激しく問う王外相に『大国としての振る舞い方を身につけていただく必要がある』とピシャリと反論、王外相をタジタジにさせた。その後も王外相との電話会談で北朝鮮への圧力強化を働きかけるなど、内外に向けた歯に衣着せぬ発言に、評価がうなぎのぼりになったんです」(前出・政治部記者)

 昨年末には、トランプ米大統領のエルサレムのイスラエル首都認定発言で緊張高まるイスラエルとパレスチナを、主要国閣僚として初訪問。それぞれネタニヤフ首相、アッバス議長と立て続けに会談し、存在感を示した。こうした一連の動きに自民党内では「新時代のリーダーとしてふさわしい」と、若手議員を中心に次期総裁候補への期待が高まっているという。
 「一度は静かになった麻生さんも、再び野望が芽生えた様子。自分がワンポイントとして出るより、河野さんを担ぎ出した方が面白いのではないか、そう思い始めているようです。安倍さんへの言い訳は“説得したがあの性格で無視された”“総裁選を盛り上げる”などいくらでもある」(前出・麻生氏周辺関係者)

 勝ち目はあるのか。選挙アナリストはこう言う。
 「野田聖子総務相は、年明け3日に収録されたBS日テレの番組でも出馬意向を示し、推薦人確保は『150%大丈夫』と自信を示したという。しかし、出たとしても勝てる見込みは薄く、決選投票前に負ければ反安倍で動くのは確実。また、同じく出馬意向の石破茂元幹事長は派閥の伸びがない。この両人が河野氏推しで動けば事態は分からなくなる」

 加えて、もう1人のキーマンが菅義偉官房長官だ。
 「菅さんは基本的には安倍首相を担ぐが、日頃から菅氏と同じ神奈川選出の河野さんを可愛がっており、『安倍の次は河野』が口癖。菅さんが秋前に安倍首相に見切りをつけるようなことがあれば、“河野首相”誕生の可能性が一気に高まるだろう」(自民党関係者)

 昨年8月、山梨県で安倍首相が歴代首相の森氏、小泉純一郎氏、麻生氏のメンバーで会食した際、小泉氏は河野氏について「あの男は大化けする!」と評したという。河野氏が小泉氏と同じ脱原発派という意味合いも含まれているだろうが、さらなるW太郎の乱で現実味を帯びてきた。

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