菜乃花 2018年10月04日号

専門医に聞け! Q&A インプラントは歯周病対策を十分した後に

掲載日時 2010年03月25日 00時00分 [健康] / 掲載号 2010年4月8日号

 Q:歯の治療をしていますが、インプラントを勧められています。一般のブリッジや義歯と違って、自分の歯と同じように使えると聞きました。しかし、歯周病になるおそれがあるという話を耳にしたのですが、ほんとうでしょうか。アドバイスをお願いいたします。(電気設備会社勤務・42歳)

 A:インプラントは、歯を失った部位の骨(歯槽骨)にチタン製の人工歯根(インプラント)を埋め込む治療法です。ブリッジや取り外しができる義歯(入れ歯)は、残っている自分の歯に負担をかけますが、インプラントは負担をかけないのが大きな利点です。患者さんの満足度も高いので、インプラント治療を希望する人は増えてきます。
 しかし、インプラントを顎の骨(歯槽骨)の中に埋め込む手術をするので、糖尿病などの慢性疾患があって全身状態が悪い場合や、インプラントを埋める部位の骨の状態が悪い場合には、この治療を行うのは難しくなります。
 歯周病で歯肉の状態が悪い場合、歯周病をしっかり治療してから受けるようにしなければなりません。残っている歯が歯周病の影響を受けていると、インプラント治療が失敗する確率が高くなります。

 ●歯周病のようになりやすいリスク。
 ご質問の方は、ブラッシングなど歯の衛生やメンテナンスに務められるでしょうか。もしできないなら、インプラントにしないほうが賢明でしょう。
 なぜなら、インプラントは、自分の歯よりも、歯周病の原因菌に感染しやすいからです。また、インプラント(人工歯根)は、歯槽骨とは強固に結合していますが、歯根膜がないため歯肉とは結合していません。
 本来の自分の歯は、歯槽骨と歯根膜によってつながっています。歯根膜は、歯根の表面にあるセメント質と歯槽膿骨を結んでいる結合組織です。歯が失われると、歯根膜も失われます。
 また、インプラントと歯肉の境目にはポケット状のすき間があります。そこに細菌が繁殖すると歯周病と同じ状態になるリスクがあります。抗菌物質が少ないため、早く進行するのです。

 ●十分な予防ケアが必要。
 ご指摘のとおり、インプラントは普及していますが、治療後数年で取れるなどの失敗例が増えています。
 失敗のいちばんの原因は、医師の未熟な技術にあります。しかし、基本的なこととして、歯周病と同じ状態になりやすいリスクがあります。だから、ケアが非常に重要です。
 さらに問題は、それを予防するための方法が確立されていないことです。
 私の医院では、インプラントは自然免疫に裏打ちされていることから、予防対策として、抗菌作用や免疫賦活作用がある漢方のうがい薬やマスティックの歯磨き剤などの使用を勧め、成果が上がっています。また、うがい薬に入っている生薬、鶏血藤には免疫を強化する作用があります。

渡辺秀司氏(とつかグリーン歯科医院院長/漢方歯科医学研究所所長)
神奈川歯科大学卒。同大学研修医を経て、とつかグリーン歯科医院を開設。歯学博士。天然素材を配合したうがい薬や歯磨き剤を開発。漢方歯科医学研究所所長

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