岸明日香 2018年12月20日号

話題の1冊 著者インタビュー 髙田燿山 『仁義の報復 元ヤクザの親分が語る埼玉愛犬家殺人事件の真実』 竹書房 1,600円(本体価格)

掲載日時 2017年03月12日 14時00分 [エンタメ] / 掲載号 2017年3月16日号

 ――「埼玉愛犬家殺人事件」として世に知られた事件について、子分を殺された当事者の立場から書かれています。関根元・風間博子の元夫妻が逮捕されたのは1995年で、20年以上も前ですが、風化していません。

 髙田 当時から大きく報じられていた残虐な事件ですからね。関根たちが起訴されたのは、私が組長をしていた髙田組(当時)の組長代行とその運転手、会社役員と主婦の4人の殺害についてですが、被害者はもっといるといわれていました。私もそう思っていますから、4人の立件だけで幕引きをしてしまった警察と検察の捜査の怠慢には今も怒りがあります。被害者が4人でも30人でも刑罰は死刑しかないので、「これ以上の捜査は時間の無駄」ということのようでした。

 ――遺体は解体して焼却されるなど、証拠がほとんどなく、捜査は難航しました。

 髙田 すべて焼却されたわけではないと思っています。本書でも触れましたが、関根の豪邸の庭にも何体か遺体が埋まっているはずですよ。警察にはそれも調べてほしかったですね。
 関根は、「関根様に逆らったヤツは死ぬ」「1人殺そうが2人殺そうが同じだ」とうそぶいていたそうですが、現在は仏教に帰依していると聞いています。今さらの気もしますが、罪を悔いてすべてを語るべきでしょう。

 ――司法に代わって子分の仇を取ろうとしたことも赤裸々につづられています。

 髙田 子分を殺されて黙っているヤクザはいません。渡世でもバカにされますしね。仇を取れなかったことは、悔しくないと言えば嘘になります。一方で、ヤクザは人を殺すことの怖さもよく分かっています。よほどのことがなければ殺しません。私はヤクザとして人を殺さない、殺させないこと、そして子分たちに指を詰めさせないことを貫いてきました。警察との攻防などもありましたが、結果として、誰も長い懲役に行かずに済んだのはよかったのではないかと考えています。誰にどのように評価されても構いません。

 ――執筆を決意されたのはなぜですか?

 髙田 古希を前にがんが見つかり、療養に専念するために'14年にヤクザ渡世を引退しました。長く不良をやってきましたから、墓場まで持って行かねばならないことはたくさんあります。でも、関根に殺された人たちの無念はやはり書いておこうと思ったのです。流行りの言葉で言えば「終活」ということでしょうか。
 これからも余命の続く限り、さまざまなことを書いていきたいと思っています。文中一部敬称略
(聞き手/上野蓮)

髙田燿山(たかだ・ようざん)
1945年、埼玉県生まれ。元・稲川会初代髙田一家総長。'14年の引退後は『稲川会系元総長の波乱の回顧録 ヤクザとシノギ』(双葉社)などを上梓

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