巨人 広島・田中の来季FA獲得を見据えた坂本二塁コンバート

スポーツ・2019/12/23 18:00 / 掲載号 2019年12月26日号
巨人 広島・田中の来季FA獲得を見据えた坂本二塁コンバート

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 5年ぶりの優勝を果たした巨人が、内野陣を大シャッフルさせる。実行するのは、“次期監督”と目されている阿部慎之助二軍監督(40)だ。

 きっかけは、阿部二軍監督が台湾でのウインターリーグを視察した時だった。プロ1年目のシーズンを終えたばかりのある若武者が、阿部二軍監督の眼に飛び込んできた。

「(坂本)勇人の19歳の頃よりもポテンシャル、技術は上かな」

 そこまで言わせた若武者とは、19歳の黒田響生内野手。背番号は3ケタの育成選手だ。

 黒田については、二軍戦で出場していたので、コアな巨人ファンの間では一目置かれていた。しかし、坂本の後継者的な意味合いで阿部二軍監督から名前が出るとは、誰も思ってもみなかったはずだ。

「黒田と同じ昨年のドラフトで2位指名された増田陸が坂本の後継者になると思っていたファンも多いはずです。それが、育成ドラフトの、それもいちばん最後に名前を呼ばれた黒田がクローズアップされるなんて…」(スポーツ紙記者)

 だが、若手が育つまでの間を、FA補強で間に合わせなければならない。そこで浮上するのが、順調にいけば来季中にFA権を取得する広島カープのリードオフマン、田中広輔(30)だ。

「今オフ、どこでも守れる鈴木大地のFA獲得に失敗したので、田中広の交渉に全力を注ぐという見方をされています。また、ポジションは異なりますが、広島の鈴木誠也、ヤクルトの山田哲人も狙っているようです。ただ、山田に関しては、チームと複数年契約が交わされるとも聞いています。その点、新体操の元日本代表選手である畠山愛理との結婚を発表した鈴木は、東京と広島の二重生活になるので、脈がありそう。でも、広島がそう簡単に放出はしないでしょう」(同)

 ’20年オフ以降のFA動向について、早くもそんな情報が駆け巡っている。中でも、獲得の可能性が最も高いのは、広島・田中広だ。

 広島は、世代交代が早い。現在、広島ではルーキーイヤーながら今季58試合に出場した19歳の小園海斗が正遊撃手となるのは時間の問題だ。とはいえ、30歳の田中広も「俺はまだできる」と思っているはず。レギュラーの可能性があるなら「たとえ他球団でも!」の気構えだろう。

「阿部二軍監督が一目を置く黒田ですが、春季キャンプでは強化指定選手として鍛えられ、早期の支配下登録も可能でしょう。坂本を使い減りさせないためにも、早い時期に運動量の多いショートからコンバートしてやらないと…」(同)

 しかし、その黒田がレギュラーに育つまでの間を「FAで獲得する田中広でしのぐ」という単純な話ではないようだ。

 どうやら、坂本のコンバート先も変わるというのである。

「巨人は、4番の岡本和真を来季から三塁で固定したいようです。岡本は今季のベストナインの投票で『三塁』と『一塁』で投票が割れて、結果的に無冠になりました」(球団関係者)

 坂本のコンバート先として、一塁、外野は考えにくい。三塁には岡本がいる。残るのは二塁しかない。

「今季、11試合の出場にとどまった吉川尚輝が腰痛でリタイアしてからは、若林晃弘、山本泰寛、田中俊太らを起用しましたが、誰もレギュラーに定着しませんでした。巨人にとって二塁手は長年にわたってレギュラーを固定できないウイークポイントです。センターラインがしっかりしていなければ、常勝チームは作れません」(同)

 若林、山本、田中のほか、今季頭角を現した増田大輝はいずれも26歳。20代半ばでレギュラーを獲り切れないとなれば、この先、大きな飛躍は期待できない。

「黒田が一人前になったら、岡本にまた一塁を守らせ、坂本をサードにというのは良策ではありません。岡本は守備のいい選手ではないので、固定するのがベターです」(同)

 黒田が一人前になるのは阿部政権が誕生する頃とみられる。来オフに田中広を獲得した後、二塁坂本、遊撃田中広となりそうだ。

「今オフ、山口俊がポスティングシステムを行使して米球界に挑戦するのに続き、来年オフに菅野智之が渡米します。山口寿一オーナーは11月のオーナー会議で、その流れを否定しませんでした。菅野がチームの連覇に貢献してメジャー挑戦となれば、巨人の次の課題はエース不在を埋めること。今年のドラ1、堀田賢慎は将来性で指名した投手。今後、若手投手を育成しつつ、FAで大物投手を獲るなどの対応策がしばらくの間続くでしょう。そのためにも、坂本の後継者問題は早々に解決しておきたい案件です」(ベテラン記者)

 また、岡本の三塁固定には、坂本の「二塁コンバート」以外の目的もあるという。それは打撃力に定評のある大城卓三と、ベテラン中島宏之の併用だ。

「中島は野球協約を超える大幅な減額提示を受け入れました。今オフ、巨人は投手中心の外国人補強を続けており、打者は外野手のパーラだけ。このままいくと来季の一塁は、左打者の大城と右打者の中島で争うことになりそう。先発投手に応じて2人を併用するのではないか。岡本を三塁で固定するのは、この2人を使うためとの見方もあります」(前出・球団関係者)

 侍ジャパンでも活躍した広島・菊池涼介の出現により、他球団にも守備範囲の広い二塁手が求められるようになった。坂本も二塁コンバートをマイナスとは受け止めないだろう。

 巨人の内野は「総シャッフル」となりそうだ。

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