片山萌美 2019年7月4日号

〈男と女の性犯罪実録調書〉③仲間逮捕で芋づる式に検挙

掲載日時 2019年06月13日 00時00分 [官能] / 掲載号 2019年6月20日号

 キムのグループのボスは「050」というコードネームで呼ばれ、詐欺を仕掛ける際の担当の振り分けをすべて指示していた。

 まず、かけ子が「最近、クレジットカードで何か買い物を頼みましたか?」とターゲットのお年寄りの自宅に電話をかける。「頼んでいない」というお年寄りに、「確認します」といったん電話を切り、「やっぱり2カ月前にカードが作られています。振り込め詐欺に悪用されているようです」などと説明する。

 「それではカードを止めますから、銀行の支店とキャッシュカードの暗証番号を教えてください。新しいカードを作りますから、暗証番号を考えておいてください。のちほど銀行協会の者が伺いますので」

 そこで出向くのが受け子だ。受け子は持参した封筒を手渡し、「詐欺の証拠になるので、これにカードと暗証番号を書いたメモを入れて、厳重に封をして下さい」と頼む。その上で割印が必要と言って、印鑑を取りに行かせ、その間に偽のカードを入れた別の封筒とすり替える。こうしてまんまとカードを入手し、あとは出し子がカードから現金を引き出すだけだ。

 山本は本業として愛人契約詐欺で口座を作らせ、副業として特殊詐欺にも手を染め、少なくとも3人のお年寄りから数百万円を騙し取る詐欺にかかわっていた。

 それに加えて山本には思わぬ幸運があった。父親が亡くなり、遺産として470万円が入ったのだ。山本はその金をリフレマッサージの店に投資し、その配当金で生活するようになった。そんな頃に2番目の伴侶となる女性と知り合い、同棲することになった。

 だが、終わりは突然やってきた。受け子の1人が逮捕され、芋づる式に検挙されたのだ。口座調達係だった山本は「90人ぐらいから騙し取った」と供述した。

 山本は罪を認め、自分が知っている限りのことは話したが、「050」と呼ばれていたボスとは面識がなく、上層部はアシがつかず、事件は全容解明には至らなかった。山本もまた、使い捨てにすぎなかったのだ。

 山本は懲役3年の実刑判決を言い渡された。同棲相手は「待っている」と言うが、山本に口座を騙し取られた女性たちは何ら被害補填されないまま終わった。口座を凍結された銀行では、2度と口座を開くことができなくなり、「自分も楽して儲ける話を信用したので、自業自得だと思います」と言うしかなかった。

 ネットには犯罪の入り口になる甘言がゴロゴロ転がっている。甘い話にはくれぐれもご用心を。
(文中の登場人物はすべて仮名です)

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